市場動向詳細

通信測定器の正しい測定・操作を習得していただくために! アンリツが開催する基礎セミナー


すぐに満席の人気セミナー


Q:セミナーの開催頻度、会場、規模は?

藤井氏: 時期は2~3月と6月、10月の、年間3回の開催です。場所は全国の4箇所で行います。3箇所は東名阪を中心に、あと1箇所は仙台・広島・九州・四国などから選びます。開催の2ヶ月位前に当社のメールマガジン登録顧客に告知します。東京(新宿会場)だけ2回開催しますが、メールマガジンを送信後、数時間で申し込みが満員になってしまう人気のセミナーです。1回のセミナー定員は20~30人です。会場を大きくすれば、人数を増やすことは可能ですが、セミナー前後のお客様とのコミュニケーションを大事にしたいので、この人数で継続したいと思っています。

Q:どのような技術者の方がどいう目的で受講されますか?

藤井氏: 共通しているのは、すでにスペアナ、ネットアナを使った経験がある方です。職種は設計からフィールドのサービス、工事まで幅広く、性別・年齢も偏りがないので、傾向はありません。一からスペアナの操作を教えてもらったことがない、または我流で測定しているので、果たして正しいのかどうか不安な方が、測定・操作の基本を習得したくて受講されます。日頃の仕事で、教えられた手順通りに操作すれば測定結果が得られることは知っているが、その意味がわからないので正確に理解したい、と来られる方もいます。

Q:受講者の反応はいかがでしょうか?

藤井氏: セミナー終了後に、だいたい数人が質問に来られます。日頃、このような使い方をしているがそれは正しいのか、講義で説明した「Aボタンを押してからBの操作をする」というのを、「私はこう操作して測定するが、測定結果は違うのか?」など、さまざまです。最後にアンケートを書いていただいています。A4片面に10設問です。4段階評価で、”良い”から”悪い”まで印をつけていただきます。自由記載では、「前述の目的が達成できて満足している」という声が多いので、概ね好評だと考えています。


計測器の基礎知識がなく使っている方が増えた


Q:市場の変化など感じることがあれば教えてください

藤井氏: 通信市場の動向については私がお話しすることは特にありませんが、計測器については思うところがあります。例えば10年前に比べると、計測器を使う方は、計測器の中身を知らない方が増えたと感じています。計測器についての知識はないが、上司(または発注先の会社)から○○の測定をXXまでにするように指示を受けて、測定していると思われる事例が増えました。手順を教わった(または手順書を見て)測定しているが、想定しているような測定結果が得られない、と測定現場から当社にお電話してこられます。質問を受けた当社の技術者は、「○○の設定はどうなっていますか?XXの値はどの位ですか?」と状況確認するのですが、その質問の意味が通じないのです。測定器に不慣れな方が、上司から教わることなく断片的な知識だけで測定器を使っているケースが増えてきていると思います。実際には測定を指示される上司や、上記の会社の方も多忙で、現在は昔に比べて効率を求められていますからね。経験的にスペアナの例をいいましたが、これは測定器全般の傾向ではないでしょうか。

藤井氏2

計測器を使う上では基礎知識習得が前提だと語る藤井氏  

当社では測定器の設定や手順をサポートするPCツールも提供しています。それは便利で良いのですが、測定器自身の使い方がわからない方が使用されると、想定外の結果が出ても何も対処ができないケースが増えるばかりです。無線の基本測定器であるスペアナやネットアナは、ある程度以上の基礎知識がある技術者が使うのが原則ではないかと思います。

Q:ところで、無線は5G(※1)などの動きがありますが、有線(光通信など)の市場はどうでしょうか?

藤井氏: 5Gといっても無線の部分だけが大容量になっても、インフラ全体を俯瞰すれば有線部もありますから ワイヤード(※2)の部分も高速にならないと意味がありません。5Gほど話題にはなりませんが、バックボーンの有線インフラも高速・大容量の更新需要があります。ワイヤード・光通信分野にもそれなりに動きがあります。

※1 5G:(ゴジー)第5世代移動通信システム。現在商用化されている4Gの次の規格。全世界で導入が計画されている。韓国が一番早く2019年に導入予定。日本は2020年のオリンピックに向けて導入が進んでいる。次世代無線通信システムとも呼ばれる。英語の5th Generationを「5G」と略記している。

※2 ワイヤード:(wired)有線のこと。無線はwireless(ワイヤレス)。

Q:今後の御社の展望をお聞かせください

藤井氏: 2020年のオリンピックに向けて、5Gの導入が進んでいます。当社としても、そこに合致する製品でビジネスを大きく伸ばしたいと考えています。すでに5Gに対応した製品も着々と発売していますので、受注獲得に向けて活動していきます。

本日はスペアナなどのセミナーの話でしたので、余談ですが、スペアナの一番大きな市場はスマホなどの携帯端末ではなく、無線システム全体です。たとえば警察無線や防災無線などの地域の無線システムなどです。これらの無線システムは更新・継続して使用されていきます。5Gだけでなくこのような需要も確実にビジネスにしていきたいと思っています。

ーーーーーーーーーーおわり


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