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ひずみゲージの理解を通じて「安全と安心」を社会に提供していく! 共和電業インタビュー


シミュレーションだけでなく、実測の重要性が高まっている


Q:受講されるのはどんな技術者の方が多いですか?

原園氏:材料・部品試験技術者が多く来られます。属性は研究開発や設計部門の方がほとんどですが、最近は製造部門などの現場のご担当者も知識習得されたいと参加されます。受講者はひずみ測定をされる方がほとんどですが、使用する測定器はひずみだけでなく電圧も取り込めるロガーですから、当社の測定器を使っていらっしゃる方も来られます。当社製品を使用される方は、まず、ひずみアンプを購入され、その後に測定器を購入されるというパターンが多く、その後温度や電圧測定まで広がっていきます。

伊藤氏:受講者は民間企業だけでなく、大学・研究機関の先生や助手の方や、官公庁(防衛省や環境庁など)でひずみゲージを使って測定をされる方もいらっしゃいます。

原園氏:コンピュータが発達しましたからFEM(※)から入った技術者で受講される方もいらっしゃいます。ここで言うFEMとは応力解析ソフトウェアを使ったシミュレーションのことです。設計時にFEMで出た結果と、試作機を実際に測定した結果の両方をつき合わせるので、FEMだけやっていた技術者がひずみゲージを扱うことが最近は増えたと感じます。
※FEM:有限要素法(Finite Element Method)数値解析手法の一種。ひずみ量がどの部位にどの位あるかを色のついた画像で解析できる。

Q:ひずみ測定のトレンドとしてFEMより実測が増えているのですか?

相田氏

株式会社 共和電業
マーケティング本部 次長 相田 直紀 氏

相田氏:シミュレーション通りのことが現実で起きずに、事故が発生することがあり、設計の技術者も机上で計算するだけでなく実験室で測定しないとまずいのではないか、ということだと思います。その意味ではFEMだけでなく実測が増えているのは、少し前からの流行りですね。FEM自体は古い手法で、コンピュータ黎明期にはソフトウェア自体が何千万円もしましたが、コンピュータの進歩で価格が安価になり、今は自分のデスクのPCで気軽に解析できます。実測しないでFEMだけで済ませるということが多かったのですが、この数年前頃から、“FEMも大事だが、実測もしないとだめだ”、という傾向を感じます。特に若い設計技術者はFEMだけの方が多いですから、実測をしろ、と言われたらひずみゲージの貼り方がわからないのです。先輩方は貼り方を当然のように知っていますからそう言いますが、教えてもらう暇はありませんから、当社のセミナーで学習に来ます。

大学の土木学科でも、材料力学など特別に専攻している一部の学生はひずみゲージと測定器を操作しますが、ほとんどの学生はひずみゲージも測定器も触ったことはありません。会社に入社後数年して、いきなり測定するように言われて、ひずみゲージを初めて見ました、という技術者が増えているようです。

セミナー風景

セミナー風景(提供:共和電業)


Q:毎年NI Days(※)に参加されていますね

相田氏:当社はNI(ナショナルインスツルメンツ)製のDIAdem(※ デイアデム)の販売パートナーをしている関係で参加しています。10年以上前から取り扱っていますが、当時は解析ソフトウェアがラインナップで弱かったためです。NIはLabVIEW(ラボビュー)が有名ですが、私たちの扱うのはもっと現場寄りのため、DIAdemの整合性が良かったのです。当時はEDX100という当社のひずみ測定レコーダの立ち上げ時期で、制御用PCにDIAdemを搭載したら測定から解析まで非常に相性が良かったので採用しました。製品は変わりましたが、自社製の解析ソフトウェアを補間する意味で今でも取り扱っています。
※ NI Days:日本ナショナルインスツルメンツ株式会社が年1回開催するNI製品のテクニカルイベント
※ DIAdem:デイアデム 計測器用ソフトウェア。データ検索・読み込みから解析・レポート作成までをサポートし、対話式に作業ができる。

Q:1年前に東京で単独展「2016 KYOWA展」を開催しましたね。これによって変化がありましたか?

相田氏:2016年10月6~7日に当社の製品を使っていただいているお客さまを中心に500名以上の方々にご来場いただきました。それまで単独の製品のみを通じて共和電業を知っていたお客さまに、当社の全体像を知っていただくことができ、より深い関係構築のきっかけになったと思っています。

Q:最後に、今後の御社の展望をお聞かせください

相田氏:会社やお客さまの動向、計測器の使われ方もどんどん変わっています。それらを敏感にキャッチアップして新しい施策・お客さまへの提案をしていきたいと思っています。

ーーーーーーーーーーおわり


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