市場動向詳細

セミナーの場をお客さまの問題解決の相談所に! エヌエフ回路設計ブロックが考える“エヌエフらしい”セミナーとは

Q:セミナーの頻度、規模(受講者数)を教えてください
池袋では、毎月何かのセミナーを開催しています。FGは基礎と応用の2コースがありますから、それを交互にやります。インピーダンスはもっとコースが多いので、月二回の頻度で開催しています。これらは5名定員の少人数セミナーで、一回90分の時間です。そのため午後に2コマ開催して複数のセミナーに参加していただけるような工夫もしています。もう少し多い30~40人のものは3ヶ月に一度程開催しています。大阪でも年に1回程度で、同じように営業所の会議室や外部会場で開催します。各営業拠点にある計測ラボラトリーにお客さまにお越しいただいて、TV会議を使って池袋のセミナーを配信することもあります。


お客さまの関心が高いインピーダンスやEMCのコースは、個別要求にも即対応


Q:特に力を入れているコースはありますか?
インピーダンスですね。最初の頃は広く浅いインピーダンス全般で始めましたが、お客様の要求と合っていなかったようです。お客さまは“この部品の測定方法を知りたい”と明確な目的を持って受講されていました。そこで目的別にコースを分けました。例えば、LCRメータ入門の基礎コースとは別に、電気部品を高周波で測る、あるいは直流電流を加えて測る、など範囲を限定しました。ニッチですが受講者は5~10人くらいは集まります。

機能の説明よりも、ずばり“FGでこの波形を出せるか?”を知りたいお客さまが相当数いらっしゃいます。インピーダンスもこのDUTの特性が測れるか?と具体的なことを聞きたいのです。世の中のインピーダンス測定の裾野は広がっていて、今まであまり測定されていなかった領域での測定要求が増えてきたと感じます。ただし、個別の要求は多岐にわたるので、アプリケーションとしてはバラバラです。

申し込み時に“○○の測定で困っている”とご要望をいただいたり、実際に測ってみたいので当日試料を持ち込んでも良いか、という希望も毎回1人か2人いらっしゃいます。セミナー終了後に残っていただいて、そのお客さまの試料を実際に測定したり、後日測定器を持って、お客さまを訪問して測定することも少なくありません。私たちからするとそのようなお客さまは大変ありがたく嬉しいのです。具体的に個別のお客さまの相談を解決していく場としてセミナーが機能しています。そのような目的のセミナーは必然的に少人数になります。

nfemc冊子

冊子:低周波のEMC 2017

Q:市場のトレンドはありますか?またそれを背景としたコースを企画されていますか?
EMCですね。これも10年以上前から開催していますが、始めた動機は交流電源の販売促進でした。EMC試験用に使うアプリケーションを調べたのですが、当時はあまり情報がなく、しかたなく規格原文を読みました。それで当社の交流電源がこのようなEMC規格の試験に使えます、とセミナーをしました。すると測定器だけでなく規格の内容にお客さまは関心があり、どちらかというと規格の解説が主になっていきました。とうとう規格内容だけ一冊の冊子になって、現在もほぼ毎年改訂して発行しています。「低周波のEMC 2017」という冊子です。セミナーは毎年6月頃に30~40人規模で開催しますが、規格の説明がメインで測定器の説明がやや少ないセミナーです。数年前には他社の電力計と組み合わせたアプリケーションを紹介する、2社共同セミナーを3年間位かけて実施しました。2社で集客するので参加者が100人以上になることもありました。

市場のトレンドには日頃から私たちもアンテナを立てています。「お客さまの希望」「市場の動向」「当社の主力製品」の3つがうまく重なったときには、それをセミナーにできるか考えます。現在インピーダンスの開催が多いのは、市場トレンドの反映ですね。直流電流を重畳したインダクタンスの測定は、EVやインバータ装置の電源回路に使うインダクタンスに大電流を流すためです。

EMCコースも同じタイトルで長くやっていますが、長い目で見ると内容は変わっています。例えば、ほとんどなかった規格の問い合わせが突然増えたことがありました。調べてみると、EV車の充電に関する規格(低周波のEMC規格)が適用されるという事例でした。そのような場合は、既存コースの中にその事例を組入れて話すと、反応していただける方がいらっしゃいます。その度合いが大きければ独立したコースを作ります。もうピークは過ぎましたが、EV用の低周波EMCをメインテーマとして紹介をしていた時期もあります。


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