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道路標識と道路標示 ~ 道路を利用する全ての交通参加者が守るべきルール ~

2026年4月1日に施行された改正道路交通法※1により、16歳以上の自転車運転者に対し「青切符」制度(交通反則通告制度)が導入されました。信号無視、逆走、携帯・イヤホン使用、傘差し運転など約115項目が対象で、反則金(5,000円〜6,000円程度)が科されます。なお、飲酒運転は即「赤切符」の対象となります※2。ルールが厳格化された背景は、「単に取り締まりを強化する」ではなく、交通事故の実態では、自転車関係事故の割合や危険度はかえって増加しているからです。自転車も自動車と同様に交通ルールの遵守が求められます。本稿では、交通参加者※3が守るべき基本的な規範である道路標識と道路標示(路面標示)について概説します。まず、道路標識と道路標示の定義を明確化します。次に、道路標示と道路標識に関連する歴史を紹介します。そして、関連する法令を解説します。さらに、道路標識と道路標示に関する具体例、設置基準、各国の違い、道路標示(ライン)の勘違いしやすいことを紹介します。また、道路標識や道路標示に関連する技術(施工法、国道の番号、メロディーロード)及び、自転車に関連する道路標示・標識についても触れます。最後に道路標識や道路標示に関連する計測器を紹介します。

※1

道路交通法の一部を改正する法律。近年(2023~2026年)の改正概要は、2023年7月(電動キックボード関連)、2024年11月(自転車の「ながらスマホ」、「酒気帯び運転」の厳罰化)、2025年3月(マイナンバーカードと運転免許の一体化)、2025年4月(新基準原付)、⑤2026年4月(自転車の交通違反に「青切符」導入)

※2

警察庁は、制度改正の趣旨を広く理解し安全・安心な自転車の利用に役立てもらうことを目的とした「自転車ルールブック」を公開しています。https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/portal/pdf/guide_traffic-rules.pdf

※3

自動車・トラック・バスなどの運転者、オートバイ・原付の運転者、自転車利用者、歩行者

《本稿の記述は、筆者の知見による解釈や、主観的な取り上げ方の面もあることをご容赦ください。また、記載されている技術情報は、当社および第三者の知的財産権他の権利に対する保証または実施権を許諾するものではありません。》 

道路標示と道路標識

道路標示と道路標識は3つに分類されます。①道路標識、②区画線、③道路標示 。詳細は後ほど解説します。

① 区画線:車道の中央線や路側帯線などです。

図1 区画線の一例
図1 区画線の一例

② 道路標示:路面に書かれた記号や文字、数字などです。

図2 道路標示の一例
図2 道路標示の一例

③ 道路標識:道路の脇などに設置される交通規制などを示す標示板です。

図3 道路標識の一例
図3 道路標識の一例

道路標示・道路標識の歴史

道路標示と道路標識に関する歴史を世代ごとに紹介します。

1) 道路標示の歴史

① 第1世代:路面標示の誕生(1910年代〜1930年代)

20世紀初頭、欧米では自動車の普及が急速に進み、交通の秩序化が大きな課題となりました。当時の道路には明確な車線の概念がなく、車両の走行位置は運転者の判断に委ねられていたことから、事故が散発していました。こうした状況を背景に、1910年代初頭から対面交通を分離する手段として路面上に線を引く試みが始まりました。1911年に米国ミシガン州において道路の中央線が試験的に導入された事例は、最初の一例として知られています。その後、白線による中央線は北米を中心に徐々に普及し、「道路を進行方向ごとに分離する」という基本的な考え方が確立されていきました。さらに1920年代以降は欧州各国でも導入が進み、路面標示は道路標識と並ぶ交通誘導の基本的手段として定着していきました。

② 第2世代:交通ルール化と標準化(1930年代〜1950年代)

自動車交通の拡大に伴い、路面標示を含む交通管理手法の統一と標準化が強く求められるようになりました。米国では1935年にMUTCD(Manual on Uniform Traffic Control Devices) が制定され、道路標識や路面標示に関する全国共通の基準が初めて体系的に整備されました。これにより、線の色や意味、設置方法が標準化され、交通管理の合理化が進みました。一方、日本では第二次世界大戦後、本格的な交通制度の整備が進められました。1960年に「道路交通法」が施行され、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(いわゆる標識令)が公布・施行されました。この制度により、車線区分線、横断歩道、停止線、進行方向別通行区分を示す矢印など、現在につながる基本的な路面標示が法令上明確に定義されました。

③ 第3世代:視認性向上(1950年代〜1980年代)

交通の高速化と夜間交通の増加に伴い、路面標示の視認性向上が重要な技術課題となりました。1950年代以降、北米を中心にガラスビーズを塗料に混ぜた反射型路面標示が実用化され、車両のヘッドライトの光を運転者側へ反射させることで、夜間の視認性が大きく向上しました。また、塗料の材質改良によって耐摩耗性や耐候性も向上し、維持管理の効率化が図られるようになりました。日本においても、1960年施行の「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」によって、1960年代以降に反射型路面標示の標準化と普及が進められ、夜間・悪天候時の安全性向上に寄与しました。

④ 第4世代:機能性路面標示(1980年代〜2000年代)

1980年代以降は、単なる視認性向上にとどまらず、路面標示自体に新たな機能を持たせる取り組みが進みました。代表的な例として、区画線に厚みや凹凸を設けたリブ付き区画線(ランブルストリップ)が導入され、車両が逸脱した際に振動や騒音によって運転者に注意を促す仕組みが普及しました。これらは主に高速道路や自動車専用道路を中心に採用されています。また、交通主体の多様化に対応するため、バス専用レーンや自転車通行帯などを明確に区別する目的で、カラー舗装やカラー路面標示の活用が進められました。これらにより、利用者ごとの空間分離と錯綜防止が図られるようになりました。

図4 ランブルストリップの一例
図4 ランブルストリップの一例

出典:Andreas Schwarzkopf、Wikipedia Commons、Rüttelstreifen auf der Standspur der A 5 zwischen Freiburg Mitte und Freiburg Süd Richtung Basel 5.jpg、CC BY-SA 4.0

⑤ 第5世代:スマート路面標示(2000年代〜現在)

近年では、さらなる視認性向上と維持管理性の改善を目的として、路面標示の高度化が進んでいます。大粒径ガラスビーズの採用や雨天時でも反射性能を維持する技術の開発、高耐久な樹脂系材料や熱可塑性材料の導入などにより、長寿命化と性能安定化が図られています。さらに、自動運転や先進運転支援システム「ADAS(エイダス):Advanced Driver Assistance Systems」の発展を背景に、車載カメラやセンサによる認識を考慮した高コントラスト・高精度な路面標示の研究・実証も進められています。これらは従来の「人の視認」を前提とした設計から、「機械による認識」をも考慮する設計思想へ転換されたと理解できます。

2) 道路標識の歴史

① 第1世代:道しるべの時代(古代から19世紀)

道路標識の原型は「道を示すため」の目印(めじるし)で、石柱や木柱などで表示されました。江戸時代には「一里塚」が主要な街道に約4km(一里)ごとに設けられました。ローマ帝国においては、ローマから延びる街道の起点に「ミリアリウム・アウレウム(黄金の里程標)」を設置し、各都市までの距離を表示したと推定されています。

図5 大平一里塚(国の史跡)
図5 大平一里塚(国の史跡)

出典:Evelyn-rose、Wikimedia Commons、Ohira-Ichirizuka-1.jpg、CC0 1.0

図6 Miliarium Aureum(黄金の里程標)
図6 Miliarium Aureum(黄金の里程標)

出典:MM、Wikimedia Commons、RomaForoRomanoMiliariumAureum01.JPG、CC BY-SA 3.0

② 第2世代:道路標識の萌芽(1900年初頭~1920年代)

19世紀末から20世紀初頭にかけて自動車が登場しましたが、現在のような体系的な道路標識はほとんど存在していません。交通整理は、警察官や係員による手信号や掲示によって行われていました。しかし、自動車の普及とともに速度が向上し、移動距離が拡大すると、進行方向の明示や危険箇所の警告を示す手段が必要となりました。これを背景に、1900年代から1920年代にかけて、道路標識の国際的な検討が始まりました。1909年のパリでの国際会議では、凸凹道路、急カーブ、踏切、交差点といった危険を示す4種類の警戒標識が国際的に整理され、これが道路標識の国際標準化の出発点となりました。日本においては、1919年制定の旧道路法を受けて、当時の呼称「道路方向標」などの整備が始まり、道路標識が導入されました。

③ 第3世代:国際標準化と記号化(1920年代~1940年代)

自動車道路網が国境を越えて広がると、標識の共通理解が課題となりました。1920年代以降、欧州を中心にして、文字情報に依存しない図形化(ピクトグラム)による標識の共通化が模索されました。1926年に「自動車交通に関する国際条約(1926年パリ条約)」が締結され、標識の種類が増えました。基本的な形状の考え方は、三角形:警戒、円形:規制、四角:案内となっており、現在の道路標識体系にも踏襲されています。第二次世界大戦後、1949年にジュネーブ道路交通条約が締結され、自動車から自動車以外(歩行者・自転車)を含む概念へ拡張されました。なお、この時点では道路標識や信号に関する規定は条約の本文ではなく、付属の議定書として扱われました。

④ 第4世代:法制化(1950年代~1970年代)

第二次世界大戦後、交通量が増大しました。1960年に道路交通法が制定され、道路標識は、法令に基づく交通ルール標識として確立されました。また、道路交通法に基づく「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」によって、標識の種類・形状・意味が全国的に体系化されました。国際的には、1968年に「道路標識及び信号に関する条約(通称ウィーン道路標識・信号条約)」が締結され、従来は附属的に扱われていた標識・信号に関する規定が独立した条約体系として整理され、多くの国における基礎となっています。

参考:自動車運転の国際免許は、各条約の加盟状況によって運用が異なります。日本はジュネーブ道路交通条約に加盟していますが、ウィーン道路交通条約には加盟・批准していません。このため、日本で発行された国際運転免許証を保有していれば、ジュネーブ道路交通条約の加盟国であるアメリカやオーストラリアなどで自動車の運転は可能ですが、ウィーン道路交通条約のみの締結国(例:中国、ブラジルなど)においては、日本の国際運転免許証は原則として効力を持ちません。なお、ドイツやスイスは二国間の取り決めにより一定の条件のもとで有効とされています。また、米国の一部地域(ハワイ、グアム、サイパンなど)では、日本の運転免許証と公式な翻訳証明書などの条件を満たせば運転することも可能ですが、あくまでも、国際運転免許の携行が一般的に推奨されます。

⑤ 第5世代:大型化と情報量の拡張(1970年代~2000年代)

高速道路網の拡充と交通量の増大により、道路標識には遠距離からの視認性と多くの情報を瞬時に伝える機能が求められるようになりました。この時期には、大型案内標識の整備が進み、反射シートの採用により夜間や悪天候時の視認性が大幅に向上しました。また、情報を切り替える電光掲示板や可変情報板など、LEDなどの電子技術を用いた標識も導入され、情報提供の高度化が進みました。

⑥ 第6世代:スマート標識(2000年代~現在)

近年の道路標識は、人間の視認性に加えて、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)による認識を前提とした設計が検討されています。AIによる標識認識を行う車両の登場により、標識は「人が読む情報」から「機械に認識される情報」へと位置づけが変わりつつあります。外国人にも理解しやすいピクトグラムや高性能反射材の改良などが進められ、道路標識はスマート交通インフラの重要な構成要素となっています。

道路標示と道路標識に関連する法令

道路標示と道路標識とに関連する法令を紹介します。主な関係法令として、「道路交通法」、「道路交通法施行令」、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」「道路法」が挙げられます。各法令の原文は、法令検索(e-GOV)で閲覧できます。https://laws.e-gov.go.jp/
各法令を目的別にまとめると、図7です。なお、道路法は、道路標示・道路標識に直接関係せず、設置や管理の根拠となります。

図7 関係法令の体系
図7 関係法令の体系

1)道路交通法

道路を利用する人の行動ルールを定める根拠法です。道路標示と道路標識に関する基本事項が定められています。目的は「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資すること」です。規定対象は歩行者、自転車、自動車、二輪車、特定小型原動機付自転車など、すべての道路利用者が対象です。主な規定内容は、通行区分(左側通行など)、信号・標識・標示の遵守義務、速度規制、駐停車ルール、運転免許制度、罰則・反則金制度です。ただし、道路標示・道路標識の色・線の種類・図柄などの具体的な仕様は規定していません。

2)道路交通法施行令

道路交通法を実務で運用するための詳細な仕様が規定された法令です。主な内容は信号機の色・意味・配列、横断歩道・路側帯の幅員基準、車両通行帯の設置条件、規制標識・道路標示による交通規制の要件などです。この法令では、交通規制の中身(数値・条件)を規定しており、道路標示や道路標識の「見た目、種類、意味」については、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」で規定されています。

3)道路標識、区画線及び道路標示に関する命令

通称は「標識令」です。道路交通法と道路法の両方を根拠として制定された省令です。役割は、道路標識・区画線・道路標示の設計仕様(技術基準)です。主な内容は、標識の分類(案内・警戒・規制・指示)、標識番号・形状・色・ピクトグラム、区画線の種類(中央線・車線境界線 など)、路面標示の種類(停止線・横断歩道 など)、誰が設置するか(道路管理者または公安委員会)です。

4)道路法

道路インフラ全体の整備・管理・構造・利用の基本的なルールを定めた法律です。端的に言うと「道路そのものをどう作り、どう管理するか」を定めています。道路の種類(高速道路、国道、都道府県道、市町村道)、道路管理者(国、都道府県、市町村)、道路の構造・施設(幅員・構造基準、橋梁・トンネル、付属物)などを規定しています。標識は付属物として位置付けられています。
道路標示・標識の管理主体は基本的に異なっています。交通規制(内容):公安委員会、設置工事:道路管理者となっています。また、道路の種類と管理主体は次の通りです。

表1 道路の種類と管理主体
道路種類 管理主体
高速自動車国道 NEXCO等
直轄国道 国(地方整備局)
補助国道 都道府県
都道府県道 都道府県
市町村道 市町村

5)道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(標識令)

道路法および道路交通法に基づき制定された省令です。日本の道路に設置される道路標識・区画線・道路標示の種類、様式、設置方法などを定めています。なお、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(標識令)」の別表第一から第六には詳細な、道路標識、区画線及び道路標示に関する具体的な形状や寸法が記述されています。
https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50004002003/#Mpat_1https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50004002003/#Mpat_6

道路標識について

1)道路標識の体系

道路標識を体系化すると図8となります。先ず、本標識と補助標識に分類され、さらに、本標識は案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識に細分化されます。

図8 道路標識の体系
図8 道路標識の体系

各道路標識の目的をイメージすると図9となります。

図9 道路標識の目的
図9 道路標識の目的

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

道路案内標識については、従来の「青い案内標識」に加えて、近年では歩行者への案内機能の充実が図られています。また、国土交通省が推進する道路のナンバリング制度(路線番号化)など、新たな道路案内標識についても整備が推進されています。

次に各標識の概要を紹介します。

① 案内標識

地名や施設を表示します。方面・方向、路線番号、インターチェンジ、サービスエリア、道の駅、空港、鉄道駅などを示します。図*は案内標識の一覧です。

図10 案内表一覧
図10 案内表一覧

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

② 警戒標識

危険注意を示しています。約20種類あります。十字路あり、T字路あり、学校あり、横断歩道あり、落石のおそれ、踏切あり、急カーブ、下り急勾配などです。

図11 警戒標識
図11 警戒標識

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

③ 規制標識

通行の規制を表示する目的で、約60種類定められています。例として、一時停止、通行止め、車両進入禁止、駐車禁止、最高速度、転回禁止、追越し禁止、指定方向外進行禁止、車両通行区分などです。

図12 規制標識
図12 規制標識

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

④ 指示標識

歩行者や運転者に対して行動を指示する表示で、約15種類あります。横断歩道、自転車横断帯、一方通行、優先道路、安全地帯などです。

図13 指示標識
図13 指示標識

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

⑤ 補助標識

本標識の意味を補足するために併設されます。

図14 補助標識
図14 補助標識

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

2)道路標識の設置者

道路標識の設置者は種類に応じて、道路管理者もしくは公安員会および両者となります。主として、案内標識および警戒標識は国土交通省、都道府県、市町村などの道路管理者が、規制標識および指示標識は都道府県公安委員会が設置します。

表2 道路標識と設置者
設置者 案内標識 警戒標識 規制標識 指示標識
道路管理者 すべて すべて ・危険物積載
車両通行止め
・最大幅
・自動車専用
公安委員会 ・追越し禁止
・駐停車禁止
・最高速度
・警笛鳴らせ
など
・駐車可
・中央線
・停止線
・横断歩道
など
道路管理者
公安委員会
の両方
・通行止め
・車両進入禁止
・一方通行
・徐行
など
・規制予告

3)道路標識の設置仕様

① 外形寸法

道路標識の外形寸法や、描かれている記号や文字に関する規格は、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」で定義されています。標識には円形、正方形、長方形、五角形、三角形など、いくつかの形に分類されています。それぞれの標準サイズとして記載されている主なものを紹介します。

図15 道路標識の寸法例
図15 道路標識の寸法例

丸形や正方形の規制標識は60cmの寸法です。ひし型(正方形を45度傾けた)警戒標識は45cm四方です。逆三角形の徐行や一時停止は一辺80cmです。寸法のバリエーションと設置基準は規制標識、指示標識、警戒標識の60cmを標準として、1/2倍(30cm)、2/3倍(40cm)、1.5倍(90cm)、2倍(120cm)、2.5倍(150cm、100km/h以上の高速道路に設置される警戒標識)の規格となっています。これら寸法の適用基準は次の通りです。

  • 1/2倍: 単独で設置されることはなく、駐車禁止の規制標識のように、デザインの一部として描かれる。
  • 2/3倍: 都市部の生活道路、片側1~2車線の道路
  • 1倍: 郊外の一般道路、都市部の一般道路や幹線道路。高速道路のインターチェンジ内。
  • 1.5倍:交差点付近の規制標識、高速道路における標準サイズ
  • 2倍:高速道路における拡大サイズ
  • 2.5倍: 高速道路における拡大サイズ

② 案内標識板の大きさ

標識板の大きさは、文字の大きさ・文字数などにより異なりますが、標準的な標識板の大きさは決められています。予告案内標識(縦240㎝×横280㎝)、交差点案内標識(縦220㎝×横280㎝)、確認案内板(縦200㎝×横240㎝)

図16 案内標識の一例
図16 案内標識の一例

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

③ 案内標識の文字寸法

案内標識に表示する漢字の大きさは道路の設計速度により定められており、数字およびローマ字は漢字の大きさを基準に定めらてれいます。
・漢字の大きさ:
一般に用いられる案内標識板の漢字は、視認性を重視して30㎝を使用し、高速道路においては、設計速度が高いことを考慮して50㎝を使用しています。

表3 標示板の漢字文字寸法
設計速度
30㎞/h以下 40,50,60㎞/h 70㎞/h以上
片側2車線以上 15㎝
(20㎝)
30㎝
(40㎝)
30㎝
(45㎝)
片側1車線 10㎝
(15㎝)
20㎝
(30㎝)
30㎝
( ):交通量が多い場合

・ローマ字の大きさ:
大文字とし漢字の大きさの1/2、小文字:大文字の3/4程度

4)諸外国の道路標識

諸外国の道路標識は、その国独自の歴史をもっています。標識の特徴を大きく分けると、①欧州方式と②米国方式に分けられます。

① 欧州方式

道路網が国境を越えて発展してきたので、道路標識の表示に言葉を用いることは認識性が劣ることから、できるだけシンボル化したようです。記号を用いると同時に色彩と形状を駆使して、視認性と識別性を高める工夫がなされました。同様な仕様が欧州各国で採用され、後の「道路標識および信号に関する条約」のもとになりました。なお、日本は国際連合道路標識に加盟していないので、独自のデザインを採用していますが、国際化への対応として「止まれ」標識に「STOP」を併記するなど、国際的に理解しやすい表示への変更が進められています。

② 米国方式

原則として四角形が用いられ、地色は白または黄色(高速道路案内標識は緑)を主とし、記号は単純で理解しやすいもの以外は用いず、原則として言葉を併記したものになっています。米国、カナダ、中南米で採用されています。

図17は日本、米国、ドイツ、国連の道路標識の比較です。

・日本の道路標識:
一般道路における案内標識は青地に白を基本とし、予告、案内、確認標識を設置して目的地や通過地への方向及び距離、著名地点への交通の目標などを案内しています。警戒標識や規制、指示については、運転者が識別しやすいようなシンボルを用いています。
・米国の道路標識:
原則として言葉による表現を採用しています。案内標識については、緑色の地に、反射式の色で文字及び縁取りを示したものとなっています。一般情報標識の「飛行場」、一般サービス標識(青色地)の「キャンプ場」のようなシンボルを用いた標識もあります。1971年にシンボルを取り入れた大幅な改正が行われました。
・ドイツの道路標識:
ドイツは、国連標識に加盟し、形状、色彩、記号などによる表現を採用しています。①の標識はアウトバーン案内です。②は、一枚の標識板の中で、色分けにより案内目的を変えるといった工夫がされています。
・国連が規定する道路標識:
警戒標識及び規制標識や案内標識の「高速道路の起点、終点」など、言葉による表現を用いず、その表現を形状と色彩と記号で表現しており、即認性を特色としています。案内標識は長方形、警戒標識は頂点を上に向けた正三角形(欧州形式)、規制標識(禁止又は制限)は円形と、それぞれ区別されています。

図17 主要国の道路標識比較
図17 主要国の道路標識比較

路面標示

1)路面標示の種類

道路面に表示される標示は、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」に基づき設置されており、線状のものを「区画線」、文字や記号を用いたものを「道路標示」として規定されています。これらは、交通の安全確保および円滑化を目的として、道路の構造や交通条件、周辺環境などに応じて用いられています。路面に設けられる区画線および道路標示には多くの種類があり、用途や機能の観点から、概ね次のように分類することができます。① 車線・通行区分に関する区画線、② 停止・交差点に関する区画線・道路標示、③ 交通誘導に関する区画線・道路標示、④ 注意喚起に関する道路標示、⑤ 駐停車および交通規制に関する道路標示、⑥ 自転車通行に関する道路標示、⑦ その他の道路標示。

① 車線・通行区分に関する区画線

車両や自転車の通行位置、通行区分を明確にするための標示であり、走行の秩序を保つ役割を果たします。車線境界線(破線)、車線境界線(実線)、中央線、車道外側線、追越しのための右側部分はみ出し通行禁止線、進路変更禁止線、路側帯、自転車専用通行帯

② 停止・交差点に関する区画線・道路標示

交差点部における停止位置や横断位置を明確にし、交通錯綜の防止を目的とします。停止線、横断歩道、自転車横断帯、二段停止線、自転車停止線

③ 交通誘導に関する区画線・道路標示

車線の分岐や合流、進行方向を視覚的に示し、安全な走行を誘導します。導流帯(ゼブラゾーン)、進行方向別通行区分(矢印)、右折レーン等の方向矢印、車両転回禁止の道路標示

④ 注意喚起に関する道路標示

運転者に対して危険箇所や行動の変化を促し、事故防止を目的とする標示です。減速表示、徐行表示、注意表示、スクールゾーン等の文字標示

⑤ 駐停車および交通規制に関する道路標示

駐車・停車や特定車両の通行に関する規制内容を明確に示します。駐車禁止の道路標示、駐停車禁止の道路標示、バス専用通行帯の表示、タクシー乗り場の表示

⑥ 自転車通行に関する道路標示

自転車の通行位置や通行方法を明示し、自動車との錯綜(さくそう)を防止します。自転車ナビマーク、自転車通行位置表示、自転車専用レーンに関する道路標示

⑦ その他の道路標示

交通状況や地域の特性に応じて設置される補助的な標示です。最高速度等の数値表示、文字や記号による案内標示、地域限定の交通安全標示

2)区画線(白線)の正しい理解

走行方向と対向車線の境界を表すために道路上に標示されている「中央線(センターライン)」は指示標示です。走行車線に複数の車線があり、その境界を区分する指示標示は「車線境界線」と呼ばれます。表4は区画線の標準寸法です。一般道路と高速道路の区画線(車線境界線)は設置基準が異なり、一般道は「白線5m・間隔5m(計10m)」、高速道路は「白線8m・間隔12m(計20m)」が標準です。白線幅は一般道が15cm、高速道路は20cmとなっており、高速道路の方が視認性を高めるため長く広い規格となっています。

表4 区画線の標準寸法
  標準値
区分 項目 都市部の道路 地方部の道路及び
自動車専用道路
設計速度80km/h以上の
自動車専用道路
車道中央線(実線2本) 幅(t) 0.15 0.15 0.15
実線間隔(d) 0.15 0.15 0.15
車道中央線(実線1本) 幅(t) 0.20 0.20 0.20
車道中央線(破線) 長さ(ℓ1) 5.00 5.00 5.00
間隔(ℓ2) 5.00 5.00 5.00
幅(t) 0.15(0.12) 0.15 0.15
車線境界線(実線) 幅(t) 0.15 0.15 0.15
車線境界線(破線) 長さ(ℓ1) 6.00(5.00) 6.00(5.00) 8.00
間隔(ℓ2) 9.00(5.00) 9.00(5.00) 12.00
幅(t) 0.15 0.15 0.15
車道外側線 幅(t) 0.15 0.15 0.20
画像のキャプション

道路標示については、勘違いされているドライバがいるかもしれないので、改めて、正しい理解を確認していただくために解説します。「中央線」や「車線境界線」のラインは「追越しが可能かどうか」を示すものではありません。ラインによって区分された車線から「はみ出して通行することが良いかどうか」を指示する道路標示です。このことが基本原則です。「中央線」と「車線境界線」は「白色の実線」、「白色の破線」、「黄色の実線」の3種類に大別されます。同じ色や形状でも「中央線」と「車線境界線」の場合ではルールが異なっており、このことがラインの意味を混同しやすくなっている要因と思われます。

① 白色の実線(中央線の場合)

白色の実線で中央線が引かれている場合は、ラインの右側にはみ出して通行してはいけません。遅い自転車や軽車両などを追越す際や駐停車している車両を避ける場合は、対向車線側にはみ出さないようにしなければなりません。「黄色ではないのではみ出してもかまわない」ではありません。

図18 中央線の白線実線
図18 中央線の白線実線

② 白色の破線(中央線の場合)

追越しなどの際に中央線をはみ出しても違反にはなりませんが、対向車がないかどうかを必ず確認し、方向指示器で合図を出しましょう。

図19 中央線の白線破線
図19 中央線の白線破線

③ 黄色の実線(中央線の場合)

中央線が黄色の実線の場合は、「追越しのためのはみ出し」が禁止となります。はみ出さなければ追越しは可能ですが、実際は道幅が狭く交通量も多い道路がほとんどですので、ほぼ追越しは不可能です。なお、障害物や駐停車車両を避ける際にラインをはみ出すことは違反にはなりません。

図20 中央線の黄色実線
図20 中央線の黄色実線

④ 車線境界線の場合

中央線ではなく車線境界線の場合は、主に「車線変更」の可否を指示することになります。車線境界線が白色の実線・破線の場合は、どちらもラインをまたいでの車線変更や追越しができます。中央線が白色の実線の場合ははみ出し禁止ですが、車線境界線では別の意味になります。車線境界線が黄色の実線の区間は車線変更と追越しが禁止となります。車線境界線のある道路では同一車線に2台以上の車両が並走することはできないので、黄色の線を踏まないように二輪車などを追越した場合でも違反になります。

図21 車線境界線
図21 車線境界線

⑤ 車線境界線が2本引かれている場合

高速道路の合流ポイントなど、白色と黄色の車線境界線が2本引かれた区間がある場合もあります。自分のクルマが走行している側のラインの意味を優先しましょう。複数のラインが2本以上引かれている場合などもありますが、これは指示を強調しているものなので、自分のクルマが走行している側のラインを確認してください。

図22 車線境界線が2本
図22 車線境界線が2本

道路の左側のラインは「路側帯」です。混同しやすい道路標示ですが、歩道のない道路のもっとも左寄りに引かれた白色のラインは中央線や車線境界線ではなく、歩行者の安全のために車道と分離する目的で設けられた「路側帯」を区分する規制表示になります。

⑥ 白色の実線が引かれた「路側帯」

軽車両・自転車以外の車両は通行禁止です。自動車等の駐停車は認められていますが(駐停車禁止・駐車禁止区間でない場合)、路側帯の内側に入って道路の端から0.75mの間隔を空けなければなりません。

図23 白線実線の路側帯
図23 白線実線の路側帯

⑦ 白色の実線と破線が引かれた「駐停車禁止路側帯」

軽車両・自転車以外の車両は通行禁止です。自動車等が駐停車のために進入することも禁止されています。駐停車禁止区間でない場合でも、路側帯のラインの右側に車両を停めなければなりません。

図24 実線・白線が引かれた路側帯
図24 実線・白線が引かれた路側帯

⑧ 2本の白色の実線が引かれた「歩行者用路側帯」

歩行者以外通行禁止になります。軽車両・自転車を含むすべての車両は、通行および路側帯内に進入しての駐停車が禁止されます。

図25 白線実線が2本の路側帯
図25 白線実線が2本の路側帯

まれに見かける例として、車道ではなく歩道側の端に黄色の実線または破線が引かれていることがあります。これは黄色の実線の場合が「駐停車禁止」、黄色の破線の場合は「駐車禁止」を表す規制表示になります。歩道上ではなく、その道路自体にかかる規制となります

図26 歩道の端の黄色線
図26 歩道の端の黄色線

関連情報

1)道路標示の工法と材料

道路白線の施行は、主に「溶融式(熱で溶かすタイプ)」と「ペイント式(塗料を塗るタイプ)」の2種類が用いられます。用途や耐久性によって使い分けられます。道路白線が夜間や雨の日に光って見えるのは、材料に「ガラスビーズ」が混ぜられている、または散布されているからです。車のヘッドライトの光を反射させる(再帰反射)ことで、視認性を確保しています。

① 溶融式

一般道や高速道路などで最も主流である工法です。材料は熱可塑性樹脂、顔料、骨材(ケイ砂など)、反射材(ガラスビーズ)です。専用の釜で材料を約200度まで加熱しドロドロに溶かします。高温の液状になった材料を専用の車両や手押しの施工機で路面に流し込みます。冷えると数分で硬化し、厚みのある(1.5mm〜2mm程度)強固な白線が完成します。

② ペイント

比較的交通量が少ない道路や、駐車場のライン引きなどで用いられる工法です。材料は合成樹脂系塗料(油性または水性)、顔料、ガラスビーズです。常温の塗料を、はけ、ローラー、または専用の車両で路面に吹き付け・塗布します。表面が乾く前にガラスビーズ(反射材)を散布して夜間の視認性を高めます。溶融式に比べると膜厚が薄いため、耐久性は劣ります。

表5は溶融式とペイント式との比較です。用途やコストなどの要件により使い分けられるようです。

表5 溶融式とペイント式との比較
項目 溶融式 ペイント式
塗料の状態 粉末または粒状(加熱溶融して使用) 液状(塗料+溶剤/水)
施工温度 約180~220℃で加熱施工 常温施工
塗膜の厚さ 厚い(約1.0~1.5mm程度) 薄い(約0.15~0.6mm程度)
耐久性・寿命 高い(一般に3~5年程度) 比較的低い(半年~2年程度)
主な用途 幹線道路、高速道路、横断歩道、停止線 駐車場、仮設区画線、交通量の少ない道路
コスト 材料費・施工費とも比較的高い 比較的安価
視認性(夜間) 高い 中~高(初期は良好だが摩耗で低下)
耐摩耗性 強い 比較的弱い
施工速度 専用施工車で連続施工可能 比較的簡易で小規模施工が容易
補修性 部分補修が難しい 部分補修・重ね塗りが容易
天候・施工条件 雨天不可、路面乾燥・温度条件に厳しい 速乾型で条件の幅が比較的広い

2)国道の番号

国道の番号のつけ方は、基本的に、国道の追加指定ごとに北に位置するものから順に、番号が付けられています。昭和27年の新道路法改正時に、一級国道と二級国道とに分けられ、前者には1桁もしくは2桁の番号を、後者には3桁の番号が付けられていましたが、昭和39年の道路法改正時に廃止され、一般国道に統合されています。国道の路線数は459あります。1号から507号まで存在していますが、このうち48路線が欠番となっています。欠番となっているのは59号から100号で、昭和39年の道路法改正後から一般国道の追加指定には3桁の番号が付けられているためです。そのほかにも、路線の統合や変更により、109号(国道108号に統合)、110号(国道48号に変更)、111号(国道45号に変更)、214号、215号、216号(統合し国道57号に変更)が欠番となっています。国道58号は道路法改正後、唯一2桁の番号が振られた国道です。鹿児島県鹿児島市から沖縄県那覇市を結び、解除路線を含めて国道の中で最長の約880kmです。沖縄が日本に返還された際の特例として付与されたようです。なお、陸上部分での最長の国道は国道4号(東京都中央区日本橋~青森県青森市)です。最も短い国道は。神戸港と神戸市街地とを結ぶ国道174号で約187メートルです。

3)わかりやすい道路案内標識

わかりやすい道路案内標識を実現するため、国土交通省は検討会議を設置し議論を進めています。その提言の一環として、従来の国道マークや都道府県道マークに加えて、交差する道路の番号を付与する標識が整備されています。図27は従来通りの国道マークおよび都道府県道マークです。国道マークはおおよそ1kmおきに、都道府県道路マークは1~2kmおきに設置されています。

図27 国道マーク・都道府県道マーク
図27 国道マーク・都道府県道マーク

出典:国土交通省が公開している資料を元に作成

図28は交差道路標識の一例です。赤色は国道、みどり色は主要地方道、黄色はその他の都道府県道を示します。片方がとがっていないものは、その道路が起点もしくは終点であることや、交差点において屈折していることを示しています。

図28 路線番号
図28 路線番号

出典:国土交通省が公開している資料を元に作成

4)高速道路ナンバリング

高速道路に路線番号を与えることにより、訪日外国人をはじめ、利用者にわかりやすい道案内の実現を目指すため、高速道路の路線名に併せて、路線番号を用いる「ナンバリング」が推進されています。図29は高速道路ナンバリングの概要、図30は地図およびカーナビゲーションでの活用イメージです。詳細は国土交通省のサイトをご覧ください。https://www.mlit.go.jp/road/sign/numbering/index.html

図29 高速道路ナンバリング概要
図29 高速道路ナンバリング概要

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

図30 地図およびカーナビゲーションでの活用イメージ
図30 地図およびカーナビゲーションでの活用イメージ

出典:国土交通省が公開している資料をもとに作成

4)自転車関連の道路標示、道路標識

2026年4月1日施行の改正道路交通法により自転車に関する取り締まりが強化されたことから、自転車に関連する道路標示と道路標識を取り上げて解説します。自転車(正式名称は普通自転車※5)は「軽車両」であり車道通行が原則です。道路交通法 第17条第1項目に定められていますが、例外的に歩道通行を認める条文が道路交通法 第63条の四で規定されています。分かりやすく言うと、①標識で認められている場合(「自転車および歩行者専用」や「普通自転車歩道通行許可」)、②子ども・高齢者など、③通行の安全を確保するため(例として、車道が極端に狭い、工事で危険など)

※5

普通自転車とは、次の条件を満たした自転車。以下、自転車と呼称。
・車体の大きさ、長さ190センチメートル以下・幅60センチメートル以下。
・車体の構造、側車を付していないこと。
・運転者以外の乗車装置を備えていないこと(幼児用座席を除く)。
・制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。
・鋭利な突出部がないこと。

① 自転車ナビマーク・自転車ナビライン

自転車の安全な通行を促すために、主として車道の左端に「自転車ナビマーク」、交差点に「自転車ナビライン」の設置が推進されています。図31は、自転車ナビマーク・自転車ナビラインの形状例です。これらの道路標示は道路交通法などに規定されている自転車の通行方法について、自転車運転者及び自動車ドライバーに対し分かりやすく周知し、実効性を高めることを目的として設置しているものであり、新たな交通方法や罰則を定めた道路標示ではありません。「自転車優先」など法令上、自転車を保護する意味はありません。

図31 自転車ナビマーク・自転車ナビライン
図31 自転車ナビマーク・自転車ナビライン

② 自転車専用通行帯

自転車以外の車両は自転車専用通行帯を通行できませんが、例外として軽車両(自転車、リヤカー、牛馬など)は通行できます。この標示がある場合、自転車はこの専用通行帯を走行しなければならない。

図32 自転車専用通行帯
図32 自転車専用通行帯

出典:国土交通省が公開している資料を元に作成

5)メロディーロード

道路の表面に一定の間隔で横方向に溝を設けて、車両が溝を通過する際のタイヤの振動と空気の振動によって特定の音階として聞こえるようにした道路表面の構造です。溝の間隔が狭いと高い音、広いと低い音になります。日本で考案された方法で、北海道立総合研究機構と篠田工業とが特許を取得しました。日本全国に数十か所以上設けられています。「メロディーロード」は商標登録されています。

図33 中標津のメロディーロード標識
図33 中標津のメロディーロード標識

出典:日本語版ウィキペディアのPotattさん、Wikimedia Commons、Melody-road.jpg、CC BY 3.0

関連計測器の紹介

道路標示、道路標識に関連した計測器の一例を紹介します。

図34 道路標示、道路標識に関連した計測器の例
図34 道路標示、道路標識に関連した計測器の例

その他の製品や仕様については計測器情報ページ から検索してください。

おわりに

道路標識や道路標示は「単なる表示」ではなく、「安全の確保」、「交通弱者の保護」、「交通流の最適化」など、交通システムを支える基本的なインフラです。今後も訪日外国人の増加に対応する多言語化や、わかりやすい標識体系、自動運転への対応など、交通ルールの見える化に加えて、より高度化した社会インフラへの進化が求められます。

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