市場動向レポート 「センサ技術とIoTへの活用」2017年10月号 TechEyes Vol.25
今日、新聞紙上にIoT(モノのインターネット)の記事を目にしない日はありません。モノ(装置やスマートフォンなどのデバイス)に装着された多数のセンサから大量のデータ(測定値のビッグデータ)を収集し、解析することで、さまざまな問題を解決し、社会の安全・生産性の向上を実現しようという取り組みが活発になってきました。米国では、2023年に年間1兆個を超すセンサを活用し、「Trillion Sensors Universe ※1」を実現しようという構想が提唱されています。
日頃、私たちの目にあまり触れないセンサですが、センサ抜きではIoTを語ることができません。今号では、このセンサを概観し、IoTの中でどのように活用されているか、産業面のアプリケーションをみていきます。また、センサの開発に使用されている測定器についても触れていきたいと思います。
※1 「1兆個規模のセンサを使う社会」。あらゆるものをセンサにつなげ、ICT活用により、さまざまな分野で変革をもたらす構想。
センサの分類
ウィキペディアによると、センサは原理・時空間・用途によって分類されています(表1)。
原理による分類の中で、機械量センサは、加速度センサやひずみゲージからなる応力・荷重センサ、マイクロフォン(超音波を含む音波)センサなどです。熱センサは、熱電対、サーミスタ、測温抵抗体などが挙げられます。特殊な例ですが、極低温用のシリコンダイオード温度センサなどもあります。
JEITA※2では、センサの出荷数量と金額の統計を毎年実施しています。その際、表2の分類が調査に使われています。先の原理による分類とは違いますが、検出対象別によく整理されていますので、分かりやすい分類となっています。