市場動向詳細

多くのお客さまから支持される秋葉原の老舗計測器総合商社 東洋計測器の魅力

いまや世界で最も有名な電気街となった秋葉原の中心地に、戦後間もない頃に創業した計測器総合商社の東洋計測器株式会社(以下、東洋計測器)の本店がある。創業60年以上の歴史をもつ東洋計測器は、これまで一貫して計測器を専門に取り扱う総合商社として事業展開をしてきた。今回は、東洋計測器の代表取締役である八巻秀次社長に、計測器販売事業の取り組みについて話を伺った。

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東洋計測器の創業期

八巻社長は、はじめに東洋計測器の創業期から話してくれた。

戦前から、当時の秋葉原にはすでに多くの電器やラジオ部品を取り扱う露店商があった。戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)のマッカーサー元帥が日本を統治しているとき、GHQによる露店商撤廃令が通達される事態が起こったそうだ。当時の秋葉原の関係者らがGHQに陳情をして、ラジオ部品を取り扱う露店商らが集まる形で駅前にラジオセンターやラジオ会館というように店舗が集積されていった。これが現在の秋葉原の原型となったそうだ。東洋計測器は、そんな時代真っ只中の昭和26年に創業された。

昔の秋葉原

創業当時の秋葉原の町並み ※出典:東洋計測器株式会社


店舗販売にこだわり。豊富な知識をもつ計測器コンシェルジュがお客さまをご案内

東洋計測器は創業以来60年以上に渡り計測器の総合商社として事業展開をしてきた。一番の特長は、実際に触りながら購入検討できる店舗販売だ。計測器メーカの法人営業では、カタログ中心の説明であったりデモ機の利用期間が短かったりと手厚くサポートをすることが難しいところがある。東洋計測器の場合は、店舗に常時展示してあるため、納得がいくまで検討してもらえることができる。また、計測器メーカーOBが常時店舗に待機しており、計測器コンシェルジュ体制を整えている。計測器の知識が豊富なスタッフが多いため、いろいろな相談に応じることが出来るとのこと。触ってもらいながら計測器を販売しているのは東洋計測器だけではないかと自負をしていた。

店舗に訪れるお客さまは、電気工作を趣味にしているような方が来店される。なかには昔から通っていただいている常連の方も多いとのこと。そんな根強い人気に支えられて計測器専門で事業を続けてきたそうだ。

東洋計測器店舗内

明るく広い店内には所狭しと計測器が展示されている

展示計測器

気軽に手にとって計測器を探すことができる



こだわりのリセール計測器、計測器好きのお客さまからも大好評

新品販売以外では、30年ほど前からリセール計測器の販売という事業を行なっている。これは大手計測器レンタル会社との協業によるものだという。東洋計測器では、リセール計測器を「スペックが保証された中古の計測器」と定義づけて、トランジスタ技術などの雑誌に広告掲載していきながら事業を拡大していったとのこと。当時はまだリセール計測器や中古計測器といったものは無い時代だったという。現在の東洋計測器の本社ビル3階に、秋葉原リセール計測器販売センターと呼ばれる専用コーナーを設け、中古の計測器とは呼ばず、新品同様にスペックが保証された中古の計測器と言い続けて、リセール計測器の価値を広めていったそうだ。

リセール計測器

リセール計測器はすべてスペック保証。当時人気だった機種からレアな機種まで幅広く展示されている。

こうしてリセール事業を始めていったが、ものめずらしさに計測器好きのお客さまの足が途絶えることなかったとのこと。ほとんどのお客さまが、昔を懐かしんで思い入れのあるリセール計測器を眺めながら話し込む、といった光景が日常茶飯事になったそうだ。計測器のよもやま話をするために訪れるお客さまもいるようだ。

リセール計測器販売棚

リセール計測器は店内の人気コーナー。ここで、つい計測器談話が始まってしまうお客さまも多いとのこと。

近年ではインターネット通信販売にも力を入れており、「計測器ランド」というインターネット通信販売のサイトを立ち上げている。Amazonにも出品しておりそこから購入することもできる。


新品販売、リセール計測器、ジャンク品に至るまで、技術者のニーズに幅広く応える

東洋計測器では、最先端のものは計測器メーカに協力をしてもらいショールームを作ってお客さまを迎える体制を整えている。また、第一線で活躍したような名機をリセール計測器として販売を行っている。一方で、実験の際に必要な部品などを買い求めるお客さまも多いためジャンク品の取り扱いも行なっている。八巻社長は、新品販売、リセール計測器、ジャンク品と計測器に関連して様々な角度からお客さまの要望に応えられるような販売体制を取っているのは、東洋計測器だけだと力強く語ってくれた。

横河計測展示ブース
フルーク展示ブース

店内にある計測器メーカーごとの展示ブース。最新の計測器を手にとって確かめながら検討することができる。計測器コンシュルジュが待機しているので、機種選定にも応じてくれる。


制作協力:東洋計測器株式会社 ホームページはこちら


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