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2017/08/30

年間50回超! 有名企業から引く手あまたの人気講師に聞く(1/2)

Q:実務的な内容に力点を置いているわけですね?
そうです。例えば、測定環境によって測定誤差は変わる、という話をします。コップのお湯に温度計を入れて測るとき、温度計が入ったことでお湯の温度は下がります。どれくらい下がるかを見積もっておかないと正確な温度はわかりません。オシロスコープのプローブが測定対象に触れたとたんに波形は変わります。触れても波形が変わらないようなプローブを選ばないといけません。

差の話をすると、受講者の方から「校正のことか?」と質問されますが違います。いくら校正されていても、使い方で誤差が大きくなってしまい、何を測っているのかがわからなくなります。「誤差を見極める能力もぜひ身に付けてください」と話しています。

私がメーカにいたときの話ですが、サプライヤとユーザが同じモデルの計測器を使って測定しているのに、結果がまったく違うという事例がありました。原因は、測定条件が全然違っていたのです。感度や時間などの設定を一番良い測定結果になるように合わせてもらったら、2社の結果はほぼ同じ結果になりました。それくらいオシロスコープは使い方が重要です。設計部門、品質管理部門、サービス部門などがみんな同じ条件になるようになっていないと、その会社として”きちんと測っている”とは言えないでしょう。


Q:新入社員を受講対象としたリクエストもできるのでしょうか?
最近はとても増えています。お客さまの人事部門から、毎年同じ時期に「今年もおまかせしますからよろしく」と言われ、4月入社の新入社員を対象に、職場配属前に、”計測器とはどんなものか”を教えます。テスターからはじまって、電源、データロガー、オシロスコープ、信号発生器、FFTアナライザなどです。これらがどんな用途で使われるのかを含めて、ひと通り話します。理工系の学校でも最近は計測器の使い方をほとんど教えないようです。会社に入ったら、”習うより慣れろ”ですが、最近はきちんと教えてくれる先輩も少なくなっているようです。


オシロスコープとプローブの関係は、一眼カメラとレンズの関係と同じです


yrl画像 Q:いつ頃から技術セミナーを始められたのですか?
私が横河レンタ・リースに入社してから始め、今年でもう足掛け10年になります。累計回数は500回を超えました。


Q:きっかけは?
始めるきっかけは、私が営業に「やってみないか」と言ったことからです。営業から、「どうやったらもっとお客さまとの関係を強化できるだろうか」と相談され、お客さまの課題をお聞きして、「計測技術セミナーを開催したらどうか」という提案をしました。

セミナーをやることが決まり資料を集めました。オシロスコープについてはすでにさまざまな参考図書が世の中にはあって、調べようと思ったらできます。ただし、プローブについてはメーカに当たってもきちんとした資料がありませんでした。カメラのレンズと同じで、カメラ本体よりむしろレンズが大事です。レンズが悪かったらカメラが良くてもダメです。オシロスコープもプローブで歪んでしまったら、後はどうしようもない。プローブは当てるだけで波形が変わるし、当て方でも波形は変わるし、プローブ自体の性能でも変わってしまう、という3つの変要素があります。適切なものを選ぶ、適切に使う、ということをしないと波形は歪み、いくらやっても、もう補正は効きません。

プローブはとても大事なものなのですが、現実にはアクセサリ扱いをされています。付属品のプローブは、一見”おまけ”扱いにされがちですが、そうではない、おまけでは困る。医者が使う聴診器のようなもので、しっかりしたものを使わないと、いくら良いオシロスコープを使っても意味がありません。そういう背景で、”プローブ活用”というテーマで始めていったら、お客さまの反応は”意外だね”という感じで、”こんなにプローブは大事なのだ”、ということで大きな反響がありました。

こうしてやっていくうちに、「オシロスコープ本体も良くわからないからやってくれ」ということになり、”オシロスコープ活用”というテーマへと発展していきました。これまでの10年間の結果は、プローブ活用を中心にしたオシロスコープの話が半分以上です。このテーマは、他ではどこでもやっていない内容だと自負しています。


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