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記録計・データロガーの基礎と概要 (第3回)

【コラム】横河電機の記録計事業への取り組み

記録計では長年の実績がある横河電機のIA-PSプロダクト事業センターネットワークソリューション部長の芳野康裕氏に同社の取り組みについて聞いた。同氏は長年にわたってさまざまな計測レコーダや工業用記録計の開発をした経験を持つ。

図28. インタビューを受けていただいたIA-PSプロダクト事業センターネットワークソリューション部長の芳野康裕氏

図28. インタビューを受けて頂いたIA-PSプロダクト事業センターネットワークソリューション部長の芳野康裕氏

Q1:記録計への要求の変化をどのように考えているか?

A1:記録計への要求は古くから「長期に渡って安心して動作すること、複数の入力を同時に長時間記録できること、さまざまな入力信号を取り扱えること、記録の改ざんができないこと」は変わりないが、記録が紙から電子メモリに変わることによってコンピュータや制御装置との接続性のよさが求められるようになってきている。

Q2:横河電機の記録計ビジネスの強みは何か?

図29. 横河電機の記録計開発の歴史

図29. 横河電機の記録計開発の歴史

出典:横河電機 [画像クリックで拡大表示]

A2:横河電機の記録計の歴史は長く、常に新しい技術を習得して記録計に組込んで市場の要求に応えてきた。特に現在市場で主流となっているペーパーレス記録計の商品化は国内で最も早かった。
横河電機の記録計事業は計測分野からプラント制御分野まで対象にしてきたので、幅広いラインアップをそろえている。特に横河電機の記録計は石油化学などのプラントのお客様からの要求を満たす高信頼な製品を作る技術を持つため、お客様に安心して使っていただけることを最大の強みとしている。また、お客様やビジネスパートナ様を支援する充実した教育や問合せ体制を持つことも大きな強みとなっている。


Q3:横河電機の記録計分野での新しい取り組みは?

A3:記録結果の表示が紙から電子ディスプレイになったため、電子ディスプレイでの使い易さを実現するためにタッチパネルを採用した。
記録計をどこに設置しても配線の手間を省ける無線通信も可能とした。
市場ではIoTへの関心が高まっており、多くのセンサからの測定データを記録計に取り込むことが増えると期待している。

図30. スマートユーザビリティの提供

図30. スマートユーザビリティの提供

出典:横河電機 [画像クリックで拡大表示]

図31. 無線を使ったデータ伝送

図31. 無線を使ったデータ伝送

出典:横河電機 [画像クリックで拡大表示]


SCF2017/計測展2017 TOKYOでの記録計の展示レポート

11月29日から東京ビックサイトで開催されたSCF2017/計測展2017 TOKYOでは新製品のSMARTDAC+ペーパレスレコーダ GP10/GP20に搭載できる高速アナログ入力モジュールGX90XA-04-H0と無線を使ったデータ伝送の製品展示がされた。また参考出品として記録計を使ったIoTソリューションの提案がされた。

独自開発したA/D変換器を搭載した高速アナログ入力モジュールの実現によって、ペンレコーダLRシリーズが担っていた領域の高速現象の記録ができるようになったことが注目された。この製品の発売に合わせて、2つの測定周期によるデュアルインターバル測定を実現できるようになった。低速で変化する現象と高速で変化する現象を同じ画面で同時に観測することができるようになり、SMARTDAC+ペーパレスレコーダ GP10/GP20の用途が広がることが期待される。

SCF2017/計測展2017 TOKYOでの高速アナログ入力モジュールの展示

SCF2017/計測展2017 TOKYOでの高速アナログ入力モジュールの展示


執筆協力:横河電機株式会社
記録計・データロガーの製品ページはこちら

執筆:横河レンタ・リース株式会社 T&M事業部 魚住 智彦


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