2017/10/11
記録計・データロガーの基礎と概要 (第1回)
記録計の最近の動向
半導体メモリの低価格化やパソコンを使った測定システムが容易に構築できるようになったため、徐々にペーパーレス記録計に需要は移っている。最近各社から発売される記録計のほとんどはペーパーレス記録計となっている。
ペーパーレス記録計
ペーパーレス記録計の歴史は長く、1950年代にディジタルマルチメータが登場したことにより、ディジタルマルチメータ、プリンタ、スキャナを組み合わせたデータロガーが計測システム製品として登場した。その後、データロガーは小型化し、電圧/温度測定ができる一体型の装置となった。当時の代表的な製品として、横河電機のYODACシリーズがある。
図8. GP-IBを搭載した小型多点温度記録装置 mini YODAC(1979年)
出典:横河電機
現在ではグラフィックディスプレイを持った多チャンネル記録計やすべての設定や測定結果の表示をパソコンで行うものなどさまざまな製品が登場している。
図9. ペーパレスレコーダ SMARTDAC+シリーズ(2017年)
出典:横河電機
本体に操作パネルを持たないペーパーレス記録計はパソコンから設定/操作/記録の検索/加工/表示/記録保存を行うため、操作するPCソフトの重要性は高まっている。
また、測定結果を画面に表示できる記録計は本体だけで記録されたデータの表示や検索が容易に操作できる機能を持っている。
ペーパーレス記録計は紙への記録技術が不要なため、この分野への参入が容易になり、新規に記録計を作るメーカが現れたが、記録計分野で長年の経験を蓄積しているメーカは高い信頼性を実現する設計技術を持つため、現在でも優位となっている。