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オシロスコープ・ユーザのためのプローブの使いこなし (第7回)

<連載目次>

第1回:「やってはいけない信号の取り出し方」「信号を伝えるということ」

第2回:「基本の10:1パッシブ・プローブを理解する」「要注意!1:1/10:1感度切替えプローブ」「そもそも周波数帯域はどこまで必要か」

第3回:「ちょっと待った!その接続1」「ちょっと待った!その接続2」

第4回:「アクティブ・プローブは理想に近づいたプローブ」「最近多くなった差動信号最近」

第5回:「ある面で理想に近い高電圧パッシブ・プローブ」「リーズナブルな価格の低インピーダンス・プローブ」「アクティブ・プローブは壊れやすい?」

第6回:「プローブの性能で重視すべきこと」「そもそもプローブの周波数帯域とは?」「感電覚悟のフローティング測定?」


高電圧差動プローブにも盲点が!

高電圧差動プローブの周波数帯域は50~200MHz程度はありますのでスイッチング回路の波形測定は問題なく行えるでしょうか。実は1点だけ厳しい測定項目があります。それはスイッチング回路におけるハイサイドのドライブ波形測定です。

図43. スイッチング回路の波形測定

図43. スイッチング回路の波形測定

一見、ハイサイドもローサイドも変わりが無いように思えますが、ローサイドは変化しない直流-300Vを基準に測定しますので、引き算するのは直流-300Vです。一方、ハイサイドのスイッチング出力±300Vはコモンモード信号として差動プローブのプラスマイナス両端子に加わります。引き算すべき大きなコモンモード信号が存在します。引き算の能力はCMRR(Common Mode Rejection Ratio)としてデータシートに記載されています。高電圧差動プローブの「真の性能」である引き算能力、CMRRに着目しましょう。

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