オシロスコープ・ユーザのためのプローブの使いこなし (第6回)
<連載目次>
第1回:「やってはいけない信号の取り出し方」「信号を伝えるということ」
第2回:「基本の10:1パッシブ・プローブを理解する」「要注意!1:1/10:1感度切替えプローブ」「そもそも周波数帯域はどこまで必要か」
第3回:「ちょっと待った!その接続1」「ちょっと待った!その接続2」
第4回:「アクティブ・プローブは理想に近づいたプローブ」「最近多くなった差動信号最近」
第5回:「ある面で理想に近い高電圧パッシブ・プローブ」「リーズナブルな価格の低インピーダンス・プローブ」「アクティブ・プローブは壊れやすい?」
第7回:「高電圧差動プローブにも盲点が!」「スペックは話半分?注意が必要な電流プローブ」「電気信号が伝わるには時間がかかる」
プローブの性能で重視すべきこと
プローブは大きく「電圧プローブと電流プローブ」に、またそれぞれ受動(パッシブ)部品で作られたパッシブ・プローブと能動(アクティブ)素子(半導体)を使ったアクティブ・プローブに分類できます。ここで電圧プローブに話を限ってキーになる仕様を見ると、形式(シングル入力/差動入力)、周波数帯域、入力抵抗・容量、耐圧(特に高電圧プローブでは重要)の4つが挙げられます。
ここで、2つメーカの代表的な汎用オシロスコープ用プローブの例を見てみましょう。パッシブ・プローブは標準付属品、アクティブ差動プローブは別売品です。価格が大きく異なるパッシブとアクティブ、果たして価格の差を埋めるだけの価値があるのか、難しい判断になります。大きな差があるのは入力容量です。これにより実際のデバイスの信号を観測した場合に大きな差が出ることがあります。
表2. パッシブ・プローブとアクティブ・プローブの製品例

出典:横河計測

出典:テクトロニクス