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ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第3回)

ファンクションジェネレータの校正

ファンクションジェネレータの性能が仕様範囲であるかは定期的な校正をすることによって確認する。信号源であるため振幅と周波数の特性を校正することが基本となる。校正項目は測定器メーカによって規定されている。ここではエヌエフ回路設計ブロックのWF1973/WF1974の事例を示す。

周波数確度試験

基準となるユニバーサルカウンタを用いて、正弦波(1MHz、10Vp-p/開放)を測定して、仕様内であることを確認する。DDS方式のファンクションジェネレータは水晶振動子を基準に周波数を決めているため、経時変化は少ないが、水晶の加工時の歪が時間経過によって解消されたり、水晶振動子表面に密封ケースから出る微量ガスが付着するなどして周波数が変化する。

振幅確度試験

振幅を変化させたときに確度が保障されるかを確認する。1kHzの正弦波を20Vp-pから0.02Vp-pまで異なる振幅を発生させ、基準となるデジタルマルチメータを使って実効値測定を行う。

DCオフセット確度試験

DCオフセット確度はDC電圧のみを発生したときと、DC電圧を0Vとして、1kHzの正弦波を重畳したときのAC+DCの交流の振幅を測定する2つの方法を取っている。いずれの測定も基準となるデジタルマルチメータを用いて行う。

周波数特性確度試験

電子回路は周波数特性を持っているため、ファンクションジェネレータの周波数/振幅特性を測定する。1kHzから最高発生周波数の30MHzまでを複数の周波数で正弦波の振幅を測定する。100kHzまではデジタルマルチメータを使って振幅を実効値測定し、100kHz以上は高周波パワーメータを使って振幅を測定する。

波形歪試験

発生した正弦波の波形には歪やノイズが重畳している。全高調波ひずみ、高調波スプリアス、非高調波スプリアスを基準となるスペクトラムアナライザを用いて測定を行う。

方形波試験

方形波はディーティ比と立ち上がり時間/立ち下り時間の設定ができるため、基準となるユニバーサルカウンタやオシロスコープを使って測定を行う。

2CH間時間差試験

2相の信号を発生することはできるファンクションジェネレータでは同じ周波数の波形を異なる位相で発生することができる。WF1974では180度の位相差がある10MHzの正弦波と方形波で正しく位相設定されているかを基準となるユニバーサルカウンタを用いて測定する。

終りに

ファンクションジェネレータは市場が要求するさまざまな波形を発生できるように進化してきた。現在のファンクションジェネレータはデジタル技術を積極的に使った製品になっている。また、パソコンとの組合せが進み、複雑な波形をパソコン上で構築することはできるようになってきた。

IoTが普及する時代が間近に迫っており、多くのセンサやアクチュエータの利用が拡大すると期待されている。さまざまなIoT機器の評価にはファンクションジェネレータが必須となり、活躍する場は多くなると思われる。また今後も市場の要求を反映した今までにない新たなファンクションジェネレータの登場することが期待される。

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