EMCのノイズ試験に必須 ファスト・トランジェント/バースト試験器 ノイズ研究所 FNS-AX4
WindowsやAndroidに対応したリモートコントロール・ソフトウェア
近年は、コンピュータを使って自動計測などが普及してきている。ノイズ試験器単体だけではなく、Windows PCやAndroidタブレットなどを使ってリモートコントロールができるソフトウェアを開発した。別途オプションで提供される変換モジュールを利用して、光ケーブルかBluetoothでノイズ試験器と接続することができる。ただし、2017年11月時点では、iOSやMac OSについてはサポートしていない。
Windows用ソフトウェア(左)とAndroid用ソフトウェア(右)
ノイズ試験器の操作パネルでは、パネルサイズ上の制約で一度に多くの表示をすることができないが、リモートコントロール・ソフトウェアを使うことで一度に操作設定が表示され、より便利に操作をすることができる。また、どのような試験をしてきたかの記録や試験状態時の誤動作の状況等をメモとして残せるため、レポートの作成などの作業効率化することができる。
Android用ソフトウェアを使いながら、操作説明をしてくれたノイズ研究所の大石氏
このように新モデルのFNS-AX4では、お客さまの使用環境にあわせて操作性の改善などの工夫が取り入れられている。
また、EMC設備管理者にとって便利な機能として、次回校正時期の通知機能がある。リモートコントロール・ソフトウェアから確認することができる。校正期日をうっかり忘れてしまったというったことも、この機能で防ぐことができる。
リモートコントロール・ソフトウェアに内蔵されている校正時期の通知機能。
自動車業界でのノイズ試験の要望が高まってきた
本来、EMC評価は業種業界など偏りがなく製品の安全保証の観点から必要とされているものだが、最近では自動車や電力インフラなどのお客さまから問合せが多いそうだ。とくに自動車分野では、電気自動車(EV)の開発本格化や市場普及の影響が大きい。電気自動車のバッテリとバッテリ周辺機器や、V2H(Vehicle to Home)で家庭内の電源ラインを経て家電機器などへ影響を与える可能性がある。従来のISO関係の試験だけでなくIEC関係の試験を要求されるようになり、EMC対策の重要性がますます認識されるようになった。このため、自動車業界ではノイズ試験器に対する要望が増えているとのこと。技術者には新たなEMC測定をする場面が増えてきているため、ノイズ研究所ではノイズ試験器をはじめとしたEMC測定器の提供だけでなく、EMC測定セミナーの開催をするなどサポートにも積極的に取り組んでいる。
ノイズ研究所では、EMC規格に関して測定方法の策定などに積極的に参加しており、EMC測定の豊富な実績やノウハウを保有している。また、EMC関連の測定セミナーなども積極的に実施をしている。
EMC測定器の提供だけでなくEMC測定の受託試験場を整備しており、お客さまが製品を持ち込んでEMC評価が行なえる体制を整えている。EMCについて幅広くソリューションを提供できるのがノイズ研究所の強みだ。EMC測定についてお困りのことがあれば、ぜひノイズ研究所までお問合せをしていただきたいと語ってくれた。
新製品のファスト・トランジェント/バースト試験器FNS-AX4を前にノイズ試験の重要性について語ってくれた、ノイズ研究所の大石氏。
仕様
発生部の代表的な仕様 | |
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項目 | 仕様 / 機能 |
出力電圧 | 200~5000V 10Vステップ |
極性 | 正または負、バースト毎に極性反転も可能 |
パルス周波数 | 0.1kHz ~ 2000kHz |
パルス数 | 1 ~ 1000 /1ステップ 設定制限:1 バースト内、1パルス/ms(パルス周波数1kHz以上) |
バースト期間 | 次の計算式による (パルス数)/(パルス周波数) 直接入力によるバースト期間の指定可能範囲:0.01 ~ 999ms |
バースト周期 | 10 ~ 1000ms ±10% 10msステップ(極性反転時は500ms ~) |
CDN部の代表的な仕様 | |
項目 | 仕様 / 機能 |
電源容量 | A20モデル:単相AC240V/20A , DC125V/20A(ただしPEは10A) B63モデル:三相AC600V/63A , DC125V/63A(ただしN/PEは10A) |
印加相 | A20モデル:L/N/PE B63モデル:L1/L2/L3/N/PE 単線、全線、各相個別に指定可能 |
結合モード | コモンモード オプション使用でノーマルモード印加可能 |
入出力形式 | φ6 mm セイフティソケット |
※その他詳細な仕様はメーカーカタログをご参照ください。 |
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