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校正トピックス「毛髪式湿度計 : 湿度計には金髪がうってつけ」

エヌケイエス株式会社

本記事はグループ企業のエヌケイエス株式会社ホームページより転載をしています。

NKS流「ためしてガッテン!」

毛髪式湿度計の毛髪はなぜ金髪なの?

毛髪式湿度計は、毛髪が吸湿と脱湿により伸び縮みする性質を利用した湿度計です。

毛髪式湿度計(自記式温湿度記録計)

毛髪式湿度計(自記式温湿度記録計)

私はてっきり、馬の毛が使われているものだと思っていました。
しかし、いろいろ調べてみると、西洋女性の金髪や茶髪が使用されているようです。
製造メーカにも確認したところ、フランス人の毛髪を使っているとのことでした。
では、毛髪の種類によって、どのくらい伸び方に差があるのでしょうか?

4種類の毛髪で実験してみました。

金髪、黒髪、赤髪、茶髪の4種類の毛髪をそれぞれ長さ150mm、10本ずつ揃え束ね、毛髪の末端に約700mgの重りを吊り下げたものを準備しました。

重りを吊り下げたもの

温度を25℃の一定にし、湿度20~70%の変化に対する伸びの変化を実験しました。
実は、最初の実験では、簡単に洗剤で拭き取っただけで、油分が除去できておらず、差がほとんど無く、実験に失敗しました。
そこで、中性洗剤でよく洗浄した毛髪で再度実験を行いました。
髪の伸びの変化を読み取るために、吊り下げた髪と150mmの金属製直尺を鉛直にセットし髪の伸びの変化を測定しました。

金属製直尺を鉛直にセットし髪の伸びの変化を測定
■使用した機器
○恒温恒室槽 型式:EC-25HHP、日立製
仕様:温度:-20~100℃、湿度:20~98%RH
温湿度変動幅:±0.3℃/±2.5%RH
○自記式温湿度記録計 型式:NSⅡ-Q、佐藤計量器製作所製
仕様:温度:-15~40℃、湿度:0~100%RH
測定精度:温度:±1℃、湿度:±3%RH
○金属製直尺 15cm、シンワ測定製、JIS1級

金髪の毛髪が僅差ですが一番伸びました。

各毛髪の湿度に対する伸びの変化はこのようになりました。

湿度による毛髪の伸びの変化
金髪・黒髪・赤髪・茶髪の伸びの変化

金髪が1.6mm、黒髪が1.3mm、赤髪が1.5mm、茶髪が1.5mmと、あまり大きな差は有りませんでしたが、やはり、金髪が一番長く伸びる結果となりました。

毛髪式記録計の毛髪は細くて真っ直ぐな金髪が適しています。

今回の結果から、金髪の毛髪が一番伸びる事が分かりました。
毛髪の大半は、繊維状の毛皮質で出来ており、毛皮質が湿度によって伸び縮みします。

毛髪

毛髄質は、空洞が多くある細胞で、細い毛髪ほど少なく、無い場合もあります。
そのため、余分な空洞の無い細い毛髪ほど、伸び縮みの感度が良いのです。
ちなみに、日本人の髪の太さが平均0.05~0.07mmなのに対し、最も細い西洋人は、0.03~0.04mmです。
また、細く吸湿脱湿の良い毛髪は、汚れると、伸び縮みの特性変化や応答速度の低下で指示が狂います。
ですので、やわらかい筆の先で毛並みに沿って軽く払って綺麗な状態にしておくことが長く精度を維持するポイントです。


転載元「エヌケイエス株式会社」のホームページは こちらから

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