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校正トピックス「鋼製巻尺 : 鋼製巻尺を使って正確に測定するには ? 」

エヌケイエス株式会社

本記事はグループ企業のエヌケイエス株式会社ホームページより転載をしています。

NKS流「ためしてガッテン!」

鋼製巻尺を使って正確に測定するには?

鋼製巻尺といっても様々な種類が有ります。

鋼製巻尺の種類と特長

JIS B 7512には、「巻尺の長さの許容差は、基準の温度を20℃とし、かつ、所定の張力をテープの軸線方向に加えた状態(コンベックスルール及び細幅巻尺は、張力を加えない状態)において、…と書かれています。
しかし、普段使用する環境下では、JISに規定された条件下で測定をすることは難しいと思います。
JISに規定された以外の環境下で測定する際には、補正が必要と言うことをご存知でしたか?
そこで今回は、鋼製巻尺の補正についてお伝えします。

温度・張力・たるみが測定値に影響します。

1)温度による影響
鋼製巻尺は、20℃が標準温度で、その条件下で正しい値を示す様に作られています。温度が20℃より低ければ縮み、高ければ伸びます。

温度による影響

2)張力による影響
鋼製巻尺は、メーカや機種によってそれぞれ所定の張力(標準張力)が決められており、その張力をかけて測ることで正しい値を示すように作られています。所定の張力以下では縮み、所定の張力以上では伸びます。

張力による影響

3)たるみによる影響
鋼製巻尺は、机や床などの上で使用する場合は、たるみが生じませんが、空間を測る場合は、テープの重みによりたるみが生じます。

「たるみ」による影響

鋼製巻尺は、伸び縮みを念頭におき補正をすることがポイントです。

鋼製巻尺は、使用する環境、使い方によって伸び縮みする測定器です。
そのため、正確に測定をするには補正をすることがポイントです。
また、同じ種類の鋼製巻尺であってもテープの材質や巾によっても補正係数が異なります。
ですので、補正を行う際には、取扱説明書やメーカのホームページなどで補正値を確認することもポイントです。
一例を挙げると、JIS1級の鋼製巻尺(0~5mの許容差±0.7mm)では、10℃の環境で測定すると温度補正だけで-0.6mmの補正が必要とされています。

補正の一例

鋼製巻尺自体の精度は保証されていても、使い方次第で測定値に大きく影響することに驚きました。
ちなみに、机や床などの上で所定の張力をかけて、鋼製巻尺の校正を行う際は、材質が同じであれば同一線膨張係数のため、常温下の測定でも良いとされています。


転載元「エヌケイエス株式会社」のホームページは こちらから

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