校正トピックス「温度センサと温度センサー。どっちで書けばいいの ? 」
語尾を伸ばすのか伸ばさないのか迷ってしまいます。
工業用語の外来語を書類(例えば計測器管理台帳)に記入する際に、語尾を伸ばすのか伸ばさないのか迷われたことはありませんか?
例えば、計測器では「温度センサ」と「温度センサー」

当社もお恥ずかしながら、以前は個人ごとでバラバラでしたが、現在は社内資料についてはあるルールに基づいて切り替えを行っています。今回はそのルールをご紹介します。
当社では、JISにある外来語の語尾伸ばしのルールを採用しています。
JIS Z8301:2008のG6.2.2項には、外来語の語尾伸ばしに関してのルールが記されています。
語尾伸ばしの対象となる言葉は、英語のつづりの終わりが -er -or -arなどを仮名書きにする場合です。
そして、その外来語が3音なのか、2音なのか、複合語なのか、さらに、はねる音なのかなどによって、長音符合を付ける付けないかが決まります。
■外来語の語尾伸ばしに関するJISでの取り決め(JISZ8301:2008抜粋)
原則 | 例 |
---|---|
a)
その言葉が3音以上の場合には、語尾に長音符号を付けない。 |
エレベータ(elevator) |
b)
その言葉が2音以下の場合には、語尾に長音符号を付ける。 |
カー(car)、カバー(cover) |
c)
複合の語は、それぞれの成分語について、上記 a) 又は b) を適用する。 |
モータカー(motor car) |
d)
上記 a) 〜 c) による場合で、長音符号を書き表す音(例1)、はねる音(例2)、及びつまる音(例3)は、それぞれ1音と認め、よう(拗)音(例4)は1音と認めない。 |
|
よう(拗)音とは:1音節が仮名2文字で表されるもの ヤ行拗音とワ行拗音がある。
「センサ」と「センサー」については、英語のスペルが「sensor」で、つづりの終わりが「-or」であり、言葉が3文字になるので、長音符号を付けない「センサ」と記入すればよいことになります。
伸ばすのか伸ばさないのか迷わなくなりました。
皆さまのお仕事の中でも、「これって語尾を伸ばして記入していいのかな?」と迷った場合には、今回ご紹介しましたJISのルールが参考になれば嬉しく思います。
転載元「エヌケイエス株式会社」のホームページは こちらから