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校正トピックス「計測機器の精度の表し方と意味」

エヌケイエス株式会社

本記事はグループ企業のエヌケイエス株式会社ホームページより転載をしています。

計測機器の精度の表記

● 計測機器の精度の表記は、主にF.S.とrdgがあります。

タイプ別の精度の表記の一例
表示タイプ 精度の表記
主にアナログタイプ ±2.0%F.S.
主にデジタルタイプ ±(2.0%rdg+1dig)

アナログタイプの精度の表し方と意味

「F.S.」とは何か…

  • F.S.とは「full scale」の略で、「全測定範囲」を示します。
    • 「full scale」の表記は、「F.S.」の他にもあります。
      「f・s」「of fs」「span」など

「F.S.」表記の意味

  • 例えば、「精度:±2.0%F.S.」と表記されていたら、計測機器が保有している精度は、『全測定範囲(フルスケール)×2.0%』 の意味。
  • 測定値に関わらず、全測定範囲(フルスケール)に於ける許容差(精度幅)は同じ。

デジタルタイプの精度の表し方と意味

「rdg」「dig」とは何か…

  • rdgとは「reading」の略で、「読み取り値(測定値)」を示します。
    • 「reading」の表記は、「rdg」の他にもあります。
      「of rdg」「R.D.」など
  • digとは、「digit」の略で、「分解能(最小単位)」を示します。
    • 「digit」の表記は、「dig」の他に「dgt」「digits」があります。

「rdg」表記の意味

  • 例えば「精度:±2.0%rdg」と表記されていたら、計測機器が保有している精度は『測定値(読み取り値)×2.0%』 の意味。
  • 測定値(読み取り値)によって許容差(精度幅)が異なります。[図2参照]

「dig」表記の意味

  • デジタル機器の特有(分解能)上から、付加されます。
  • 例えば「±1dig」と表記されていたら、測定値(読み取り値)の最小桁が0.1の位の場合、「±0.1」の許容差(精度幅)になります。
図2

検査成績書から見た、アナログタイプとデジタルタイプの違い

アナログタイプの成績書の例

  • [例]温度計(アナログタイプ)
    測定レンジ:0.0~100.0℃ 精度:±2.0%F.S.
    基準値 ℃ 測定値 ℃ 誤差 ℃ 許容値 ±℃
    0.0 0.0 0.0 2.0
    10.0 9.9 -0.1 2.0
    100.0 99.9 -0.1 2.0

デジタルタイプの成績書の例

  • [例]温度計(デジタルタイプ)
    測定レンジ:0.0~100.0℃ 精度:±(2.0%rdg+1dig)
    基準値 ℃ 測定値 ℃ 誤差 ℃ 許容値 ±℃
    0.0 0.0 0.0 0.1
    10.0 9.9 -0.1 0.3
    100.0 99.9 -0.1 2.1

タイプ別の成績書の例から分かったこと

  • 許容差を比較すると、デジタルタイプの方が最小測定範囲(この場合0.0℃)に近づく程小さくなり、測定機器の保有精度が高くなる事が分かりました。
  • 精度の数値が同じであっても、精度の表し方(F.S.とrdg)によって、実質的(絶対値)な許容差は異なっているのです。
  • 計測機器の精度の表し方と意味の違いを、ご理解戴けましたでしょうか。

転載元「エヌケイエス株式会社」のホームページは こちらから

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