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学び情報詳細

2022/09/20

初めて使うデジタルマルチメータ・・・第12回 「キーサイトの新しい教育向け汎用測定器」

連載記事一覧
第1回:デジタルマルチメータが届いたら最初にすること
「はじめに」「6.5桁ベンチトップ型のデジタルマルチメータのパネル」「パネルに書かれた警告表示」「テストリード」「電源の投入と日付時刻の設定」
第2回:デジタルマルチメータの基礎知識
「直流電圧を正確に測る歴史」「現在のデジタルマルチメータの構造と機能」「デジタルマルチメータの選定」「【ミニ解説】測定カテゴリーとは」
第3回:直流電圧の測定と仕様の見方
「直流電圧を測定するための結線」「デジタルマルチメータの直流電圧測定の仕様表現」「直流電圧を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「直流測定で発生する誤差要因」「1000Vを越える直流高電圧の測定」「微小な直流電圧の測定」「【ミニ解説】デジタルマルチメータで採用されている安全端子」
第4回:交流電圧の測定と仕様の見方
「交流電圧を測定するための結線」「平均値検波と実効値検波の違い」「交流電圧測定での周波数帯域」「デジタルマルチメータの交流電圧測定の仕様表現」「交流電圧を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「歪んだ波形を測る際の注意点」「750Vrmsを越える交流高電圧の測定」
第5回:抵抗の測定と仕様の見方
「抵抗を測定するための結線」「デジタルマルチメータの抵抗測定の仕様表現」「抵抗を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの2端子測定での抵抗測定の操作手順」「4端子式測定を行う場合の注意事項」「高抵抗を測定する際の注意事項」「【ミニ解説】直流による抵抗測定と交流による抵抗測定」
第6回:直流/交流の電流測定と仕様の見方
「直流電流を測定するための結線」「デジタルマルチメータの直流電流測定の仕様表現」「直流電流を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの3Aレンジ以下の直流電流測定の操作手順」「電流入力端子に実装されている保護用ヒューズの断線を防ぐ」「直流電流測定時の注意事項」「10Aを越える直流電流の測定」「交流電流を測定するための結線」「デジタルマルチメータの交流電流測定の仕様表現」「交流電流を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの3Aレンジ以下の交流電流測定の操作手順」「10Aを越える交流電流の測定」
第7回:周波数測定と仕様の見方
「周波数を測定するための結線」「34461Aで採用されているレシプロカル・カウント方式」「34461Aで設定可能なゲート時間」「34461Aの周波数測定の仕様表現」「周波数/周期を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの周波数/周期測定の操作手順」「【ミニ解説】ユニバーサル・カウンタとの違い」
第8回:温度測定と仕様の見方
「温度を測定するための結線」「【ミニ解説】さまざまな温度センサ」「34461Aの温度測定の仕様表現」「温度を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの温度測定の操作手順」「【ミニ解説】温度測定で使われる多点温度計」
第9回:導通/ダイオード試験、容量測定
「導通/ダイオード試験をするための結線」「34461Aでの導通試験の操作手順」「34461Aでのダイオード試験の操作手順」「コンデンサの容量を測定するための結線」「34461Aの容量測定の仕様表現」「容量を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの容量測定での操作手順」「【ミニ解説】正確にコンデンサの容量を測定するときはLCRメータを使う」
第10回:デジタルマルチメータをシステムで使う
「デジタルマルチメータをシステムで使う」「外部トリガ入力と測定完了出力端子」「外部トリガ機能の設定」「34461Aに搭載されている通信インタフェース」「ラックを選定する際の注意点」「測定システムのノイズ対策」
第11回:デジタルマルチメータの周辺アクセサリ
「測定器メーカが用意しているアクセサリ」「DC結合電流プローブ」「30A電流シャント抵抗」「ターミナル・コネクタ」「34401Aから34461Aへの置き換え」
第12回:キーサイトの新しい教育向け汎用測定器
「【インタビュー】キーサイト・テクノロジーが考える教育向け汎用測定器」

【インタビュー】キーサイト・テクノロジーが考える教育向け汎用測定器

最終回はキーサイト・テクノロジーのデジタルマルチメータの強みと2021年に発売したSmart Bench Essentialsシリーズについてキーサイト・テクノロジー アジア パシフィック マーケティングのマネージャの堀部勝義様にお話を伺った。

図98. お話を伺ったキーサイト・テクノロジーの堀部勝義様

図98. お話を伺ったキーサイト・テクノロジーの堀部勝義様

Q1:今回の記事で使ったTruevoltデジタルマルチメータの特長を教えてください?

キーサイト・テクノロジーのデジタルマルチメータの歴史は長く、1959年に最初のデジタル電圧計を発売した時からさまざまな製品を開発してきた。2013年に発売した現在の6.5桁ベンチトップ型のTruevoltデジタルマルチメータは1992年に発売され2016年まで販売していた34401Aの後継機種となっている。34401Aは世界中で多く使われたベストセラー商品であるので、製品が切り替わるときは「メガ・リプレース」という表現をしてお客様に製品の更新を勧めた。

新しいデジタルマルチメータになっての進化は機能が豊富になり使いやすくなったことである。最初に気づくのが測定結果を表示する画面である。34401Aは数字表示だけであったのが、新しいTruevoltデジタルマルチメータでは高輝度4.3インチ液晶グラフィックディスプレイを搭載しており多彩な表現で測定結果を表示できるようになっている。

図99. Truevoltデジタルマルチメータで可能になった測定結果の多彩な表現

図99. Truevoltデジタルマルチメータで可能になった測定結果の多彩な表現

Truevoltデジタルマルチメータは直流や交流の電圧/電流測定や抵抗測定といったデジタルマルチメータが持つ基本的な機能以外に温度測定や容量測定など便利な機能も搭載している。Truevoltデジタルマルチメータの上位機機種では熱電対に対応した温度測定回路が組み込まれて幅広い用途に対応できるようになっている。

Q2:デジタルマルチメータでのキーサイト・テクノロジーの強みは何ですか?

キーサイト・テクノロジーの強みの1つ目はさまざまな要求に応える豊富なラインアップが用意されていることである。キーサイト・テクノロジーは長年に渡ってデジタルマルチメータの開発を継続してきたため、電気工事の現場で使う4桁のハンドヘルド型から高性能な8.5桁のベンチトップ型までのデジタルマルチメータのラインアップが用意できている。特に3458Aは1988年に発売してから現在いたるまで、長年に渡って世界最高レベルのデジタルマルチメータとして多くの企業の校正室で標準機として使われている。

図100. 豊富なラインアップがそろっているキーサイト・テクノロジーのデジタルマルチメータ

図100. 豊富なラインアップがそろっているキーサイト・テクノロジーのデジタルマルチメータ

2つ目の強みは多くの技術ドキュメントが公開されており、デジタルマルチメータを使う人が必要な情報を提供できることである。最近では動画で技術セミナーが見られるようにもしている。

3つ目はキーサイト・テクノロジーが提供するPathWaveソフトウェアを使って効率的に仕事ができる環境を作れることである。これによりソフトウェアを使った設計と測定器を使った評価をシームレスにつなぐことができる。

Q3:2021年に新たに市場投入したSmart Bench Essentialsシリーズとはどんなものですか?

キーサイト・テクノロジーでは高性能な測定器に使われているテクノロジーをエントリーレベルの測定器にも採用してコストパフォーマンスのよい測定器を提供できるようにしている。Smart Bench Essentialsシリーズはまさにそのような測定器の一つである。測定ベンチで使用頻度の高いオシロスコープ、デジタルマルチメータ、ファンクションジェネレータ、直流電源の4種類の測定器をSmart Bench Essentialsシリーズとして市場に提供している。

すべてのSmart Bench Essentialsシリーズの測定器は奥行きが短く評判のよいInfiniiVision 1000Xシリーズのオシロスコープの筐体サイズに統一することで、測定ベンチのワークスペースを確保するとともに大型ディスプレーを採用して表示できる情報量を増やした。導入のしやすさを考慮して同等レベルの測定器よりも低価格としている。

高校や大学でのPCを使った教育環境が構築できるようにLANやUSBインタフェースは標準装備としている。

図101. キーサイト・テクノロジーのSmart Bench Essentialsシリーズ

図101. キーサイト・テクノロジーのSmart Bench Essentialsシリーズ

教育現場では限られた時間内で学生が測定器を使った実習を行ない、確実に課題を習得することが求められている。キーサイト・テクノロジーが提供するPathWave BenchVueソフトウェアを使うことにより下記のことが実現できるようになった。このため学習の効率化や教員の負担軽減に役立っている。

  • 1台のPC画面から、複数の測定器を構成、制御、監視
  • あらゆる場所からリモートでラボの測定器とデータへのアクセス、テスト、解析、共有により、新型コロナ禍での学習機会を提供
  • テストのセットアップ、データ収集、レポート作成などの作業を自動化
  • ラボ全体の測定器と構成を一元管理

キーサイト・テクノロジーではSmart Bench Essentialsシリーズの教育現場での利用を紹介する日本語動画を用意している。

Smart Bench Essentialsシリーズの紹介動画(4分)
https://www.youtube.com/watch?v=gDKgh8olDDg

Smart Bench Essentialsは、教育現場だけでなく、研究開発、生産ラインでも便利に幅広く利用することができる。

汎用測定器は技術者にとって必須なツールであるため、キーサイト・テクノロジーはさまざまな用途に適した測定器や測定環境を今後とも提供していく。


執筆:横河レンタ・リース株式会社 事業統括本部 魚住 智彦

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