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交流電源 - 三相と単相

今回は送電線で家庭に送られる電気と測定器の話です。

発電所の電気は交流で送られる

発電所の電気は交流で送られる

家庭やオフィスのコンセントにきている電気は、発電所でつくられます。発電所(原子力発電、火力発電、 水力発電)では、発電機を回転させて電気をつくります。回転により発電する電気は交流です。発電所でつくられた電気は送電線(鉄塔)や変電所を経由して電柱(柱上変圧器)から家庭に供給されます。発電所から家庭まで交流で送電されています※1

※1 日本だけでなく世界的に交流送電が普及していますが、近年 HVDC(高圧直流送電 high‐voltage, direct current )の技術が確立して、日本でも導入されてきています。例としてデータセンターの省エネ対策など。

三相と単相 ─ 送電線は3本

送電線は3本

交流の電気には単相と三相の2種類があります。難しい説明をすると単相はひとつの波で、三相は位相が120度ずつずれた3つの波でできています。家庭にきているのは単相で、三相は主に工場で使われます。電圧は単相は100V、三相は200Vのことが多いです。

家庭のコンセントが2穴で分かるように単相は2本の電線で送られます。三相は3本の電線で送られます※2。蛍光灯などは単相で光るので、単相は電灯用ともいわれます。三相は工場で使う動力用のモータを動かすのに適しています。

電柱をよく見ると電線が3本あるのに気が付きます。発電所からの送電は三相交流で送られているのです。家庭へは電柱に取り付けた変圧器(柱上変圧器)から単相を取り出してつないでいます。工場へはそのまま三相で供給しています。(大きな工場は電柱でなく変電所から、より高圧で受電しています)

※2 単相は2本(2線式)、三相は3本(3線式)ですが、正確には単相3線式と三相4線式もあります。

計測器の交流電源

計測器の交流電源は単相モデルがほとんどで、複数台数をつなぐことで三相出力が出ます。(菊水電子工業のPCRシリーズやエヌエフ回路設計ブロックのES2000、DPシリーズなど)

右図はPCR6000W2で、1台で三相出力ができるモデルです。出力部分(OUTPUT端子盤)の、W、V、Uの3箇所に出力ケーブルをつなぎます。

PCR6000W2のOUTPUT端子盤

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