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[計測器 誌上体験] 第5回「直流電源 」

直流電源とは、直流の電圧・電流を発生する測定器です。電圧と電流を一定の範囲内で変えられ、精度よく安定して出力できるため、「安定化電源」とも呼ばれます。また「Direct Current(=直流)」を略して、「DC電源」とも呼ばれます。最近は電子負荷を内蔵した回生型の直流電源がありますが、誌面では一般の汎用的な直流電源についてご説明します。

□パネルと各部の説明

パネルと各部の説明

□直流電源の種類

  • 容量(出力電力W:ワット)によって、メーカー定価が数万円の安価なものから、大容量モデルで百万円以上するものまであります。
  • 電源内部の回路方式によってスイッチングとシリーズレギュレータの2種類があり、用途によって使い分けられています。
  • 機能によって、各計測器メーカーから多出力、バイポーラ、ワイドレンジ(またはズーム機能付)など特長ある製品が出ています。
容量 特徴
小容量 出力範囲:~200W、安価、小型・軽量
中容量 出力範囲:200W~2kW
大容量 出力範囲:2kW~、高価、重量物
方式
特徴
スイッチング スイッチングノイズはあるが、小型・軽量化が可能。半導体素子の進歩で近年普及。
シリーズレギュレータ 放熱はあるが、ノイズは小さく安価。大型で重い。ドロッパ方式とも呼ばれる。

□誌上体験

電子回路には、プラス電源とマイナス電源の両方が必要なものが多くあります。単出力の電源(+15V)から正負電源(±15V)を作ってみましょう。 菊水電子工業のPMC18-3Aを2台用意します。

▼ 操作

Step① FG端子をプラス端子につなぐ

プラスドライバーを使って電源1のショートバーを外し、プラス端子(赤色)をFG(フレームグランド)端子につなぎ変えます。これで電源1は、マイナス出力電源になります。

Step② FG同士の接続

電源1と電源2のFG端子同士を接続します。右の写真では、電源1のプラス端子と電源2のマイナス端子をつないでいます。

Step③ 電圧の出力

2台の電源を15V出力に設定すると、電子回路に所定の電圧が供給されます。単出力モデルを2台使ってマイナス出力電源(多出力モデル)と同じ機能が実現できました。(注:メーカーやモデルによってはできないことがあります)

直流電源の操作ステップ

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