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単位と計測 (前編)

T&MはTest(試験)とMeasurement(計測)の略称ですが、いったい何を測っているのでしょうか?どんなふうに測っているのでしょうか?


① 何を測っているのか?

測定器で測るものには2種類あります。一つは現象の大きさです。もう一つは、測定対象の性質です。

図1 図2

1. 現象の大きさの測定(図1)

長さ、重さ、時間、温度、圧力、明るさ、電流・電圧などの大きさを測っています。健康診断で身長や体重を測ることや、室内の温度を測ることは、現象の大きさを測っているわけです。

2. 測定対象の性質(図2)

測定対象に既知の信号を加えた時の出力を調べることにより、測定対象の性質を知ることができます。くだけた表現をすれば、“相手の性質を調べるために、わざと相手にちょっかいを出して、そのときの反応から、相手の特性を知る”といった感じでしょうか。試験や検査での測定の多くは、このタイプの測定です。

■例 携帯電話などの回路の周波数特性、入出力特性を調べる。

このタイプの測定では、複数の機器(信号源と測定器)を組み合わせて測定することが多いです。ネットアナライザのように、両方の機能を内蔵していて、1台で測定・表示できる機種もあります。


② どのように測っているか?

図3 図4 図5 図6

測定の種類は2種類あります。直接測定と間接測定です。

1. 直接測定

測定量と同種類の基準量とを比較して行う測定。

■例1 鉛筆の「長さ」を、物差しで測る。(図3)

■例2 リンゴの「重さ(質量)」を、天秤で測る。(図4)


2. 間接測定

求めたい測定値と関係のある、ほかの量を測定し換算して測定結果を得る。

■例1 抵抗値(Rx)の測定(図5)

部品に流れる電流(ic)と、そのときの部品の両端の電圧(Em)を測定し、オームの法則(Rx=Em/ic)から抵抗値を計算して抵抗値を求めます。計算は測定器内部で行われます。

■例2 バネばかり(図6)

バネばかりで測る場合は、測定対象の重さに比例したバネの伸びを目盛坂から読み取ります。「重さ(質量)」を天秤で測れば直接測定ですが、バネばかりで測る場合は間接測定になります。直接測定できる量は限られています。多くの測定は間接測定になります。


3. センサ

電気以外の現象を測る場合は、センサ(トランスデューサともいう)が必要になることが多いです。センサの役割は、現象量を電気信号に変換することです。この電気信号が測定器への入力信号になります。

■例 現象量とセンサ

温度:熱電対、音:マイクロホン、ひずみ:ひずみゲージ。



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