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社会インフラを支える保守点検と測定器

24時間365日使えるのが当たり前、ちょっとでも止まれば大クレーム、保守点検は縁の下の力持ち

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インフラと聞いて何を思い浮かべますか?青森から鹿児島までつながった新幹線や高速道路・港湾・空港などの交通インフラ、電力・ガス・水道などのライフライン、電話などの通信網らがあります。最近では、コンビニや宅配便も立派な社会インフラであるという説もあります。某建設会社のコマ-シャルに“地図に残る仕事”という表現がありました。社会インフラは大型の設備が多いので、地図に載るものが多いのも事実です。

いつでも使えるのが当たり前、100%動作が普通だと思われていて、ちょっとでも止まれば大クレ-ム、ニュ-スになるのが社会インフラの特徴です。みんなが何も気にせず、安心して使えるように、見えないところで大勢の方々が、大変な苦労をしながら、確実な動作・安定した運用を支えています。


発電所

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代表的なインフラとして電力(発電所)をみてましょう。電気は発電機を回して作ります。モ-タ-に電気を流すと回転しますが、これとは逆にモ-タ-の軸を回転させると電気が発生します。一番身近な発電機は、自転車のダイナモ(前照灯用の発電機)です。回して発電するというイメ-ジを思い浮かべてください。

実際の発電所では、大きな発電機を回して電気を作ります。発電機を回すためには、発電機とつながったタ-ビンを回します。水力発電、火力発電、原子力発電の違いは、タ-ビンを回す力をどうやって得るかの違いです。

水力発電では、高い所にあるダムにためた水を水路に流して水車(タ-ビン)を回します。(専門用語で言えば、位置エネルギ-を運動エネルギ-に変えて発電機を回します)火力発電と原子力発電では、燃料を燃やした熱により高温・高圧の水蒸気を作り、この水蒸気を噴射してタ-ビンを回転させます。(熱エネルギ-を運動エネルギ-に変えて発電機を回します)

火力発電と原子力発電の違いは、熱の作り方です。熱を作るのに、石油や石炭を燃やすのが火力発電です。核分裂反応で発生する熱を利用するのが原子力発電です。

発電所(発電プラント)では、温度・圧力・流量の測定が重要になります。回転する機械の異常検知には振動測定が有効です。設備が大型であると測定箇所が多くなるので、多CH測定できるレコ-ダ・ロガーが使われます。また連続的に記録を残す目的でもレコーダやロガーが使われます。


空港

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電波(高周波)が主の社会インフラといえば、通信・放送関連と答える方が多いでしょう。空港を思い浮かべる人は少ないと思います。空港では電波(高周波)がとても重要です。飛行機を安全に離陸・着陸させるために、航空管制官が指揮します。そのためには、

A) 飛行機の位置(3次元 方位と高度)を知る必要があります。

B) 飛行機のパイロットに連絡して指示を伝える必要があります。

飛行機の位置を知るためにはレ-ダ-を使います。飛行機と連絡を取るためには無線電話を使います。また大きな空港では、視界の悪い夜間や霧の日には計器着陸できるように電波誘導設備が備えられています。着陸する飛行機は、電波の道に沿って滑走路まで導かれます。空港では広い滑走路に目を奪われがちですが、航空機の安全な運行を支えているのは多くの電波機器なのです。

空港の保守スタッフは、電波機器の点検のために、スペアナやネットアナを担いで広い空港内を走り回ります。アンテナやケ-ブルの点検にはネットアナが使われます。ネットアナの用途は電子部品測定だけではありません。


社会インフラは長期間にわたって使用されるので、設置される機器の大半は購入です。稼働を開始すると、24時間365日の動作が求められるので、保守点検が非常に重要です。この保守点検の際に各種の測定器を使います。

保守点検で使用される測定器は、定番機種を長期間使い続けます。新製品が出たからと言って、闇雲に機種を変えることはありません。何よりも、安定さ・確実な実績が重視されます。

社会インフラでの測定器の使われ方は、新製品開発とは対照的・対極的な使われ方です。

社会インフラでの測定の特徴は、、①物理量計測が多い ②CH数が多い(多点測定) ③現場測定なので可搬形や電池動作を求められることが多いです。

よく使われる機種は、レコ-ダ・ロガ-(多CH)、圧力計、流量計、ひずみ測定器、温度測定器、電力計、絶縁抵抗計、振動計(回転する機械は振動測定が必須)、ネットワークアナライザ、スペクトラムアナライザ等です。

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