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計測・測定の基礎 | 電子測定器はどこまで測れるのか?使い分けの基本

測定器は広い範囲をカバーできる「汎用測定器」と特定の用途に特化した「専用測定器」に分けられます。ここでは主に汎用計測器について触れます。物理現象なり電気現象を測るとき、それぞれの計測シーンで最適な測定器を選択することはなかなか難しいものです。多種多様な測定器のうち、どれを使えば測定できるか、複数の測定器を組み合わせなければ測定できないか、など悩ましい問題です。

まず、測定したい対象を、電圧なり周波数なりがある時間では変化しないで一定を保つ場合と、時々刻々変化する場合に分けてみましょう(図1)。

図1. 代表的な電子測定器のカテゴリ

図1. 代表的な電子測定器のカテゴリ

変化しない直流電圧や電流の測定、または振幅・周波数、波形形状が変化しない交流電圧・電流の測定を、できるだけ正確に行うにはデジタルマルチメータが最適です。波形観測器であるオシロスコープでも、直流電圧を測ることはできますが、測定確度という点では、デジタルマルチメータにはるかに及びません。逆に、オシロスコープでなければ測定できないことも多数あります。

電圧・電流と同じように、変化しない周波数を正確に計測するためには、周波数カウンタの出番です。ところが周波数が変動する場合には、カウンタは使えません。確度は得られなくてもオシロスコープ等の波形観測機器の出番になります。

このように、測定対象の性質を見極めたうえで、最適な測定器の選択をすることが求められます。



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