パワーエレクトロニクスの波形計測ソリューション特集
EVやHEV、鉄道などにおいて、モータドライブシステムの高効率化、小型化は重要な課題の一つです。モータドライブシステムの主要な構成要素であるインバータの高効率化・小型化のため、SiC パワー半導体の採用が始まっています。SiCパワー半導体を使用することで、スイッチング周波数の高周波化による受動部品の小型化や低ON抵抗による低損失化などが期待されます。モータドライブシステムの評価のためには正確な電力測定が必須で、SiCインバータの電力測定のためには従来以上に広帯域で高精度な電力測定が必要です。
ここではSiCインバータやモータドライブシステムの測定ソリューションを紹介します。
パワーアナライザ
PW6001
■EV/HEV インバータ、モータ解析
おすすめポイント
過渡状態の電力を10ms 高確度高速演算
発進、加速のモータ挙動をはじめ、過渡状態の電力を10ms更新で測定。最低 0.1Hzから、変動する周波数に自動追従して電力を測定します。搭載したモータ1回転の周期で電力演算させる機能により、さらに安定した効率演算が可能となります。
進化した電気角測定機能
高効率同期モータのモータパラメータの測定や、dq座標系によるベクトル制御の解析に必要な電気角測定機能を搭載。エンコーダパルスを基準にした電圧・電流基本波成分の位相をリアルタイムで測定できます。また、A相B相パルスから正転逆転を検出することでトルクと回転数の 4象限解析もできます。
2つのモータパワーを同時測定
モータ解析機能のデュアルモードを初めて搭載。モータの2台同時解析が可能になりました。HEVの駆動用と発電用、それぞれのモータパワーを同時に測定可能です。
新燃費基準WLTCモードの性能評価試験
新国際基準WLTPに対応した燃費計測では、システムの各バッテリにおける充放電の電流積算と電力積算の正確な測定が求められます。高確度クランプ電流センサと、PW6001の優れたDC確度、10msインターバルの電流積算と電力積算は、車両の燃費性能評価に大変有効です。
執筆協力: 日置電機株式会社 ホームページはこちら
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