季節のバナー画像シリーズ【Vol.37】冬の野岩鉄道
“TechEyesOnline”のバナー画像として採用した取材先をご紹介していくシリーズです。
うつろい変わりゆく季節感や日本の四季折々を、TEO取材班がお届けします。第三十七回は、“冬の野岩鉄道”です。
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冬の野岩鉄道(湯西川温泉駅から望む)
東京から2時間で車窓の景色は銀世界に変わった。
日光を経てその先の会津まで、鉄道の旅をした。
東武鉄道と会津鉄道を結ぶのは野岩鉄道で、最初の目的地はのその野岩鉄道の川治湯元駅になる。
野岩鉄道は、旧国鉄の民営化によって、第三セクター方式で昭和61年に開通した。通称は会津鬼怒川線といい、都心からは新藤原駅に東武線が乗り入れる。「ほっとスパ・ライン」の愛称もあり、沿線には温泉地が多い。
雪に覆われた鬼怒川温泉駅から列車を乗り継ぎ、次の新藤原駅から野岩の路線に入る。鬼怒川に沿うように山間を走り、駅間ごとにあるトンネルを抜けると更に雪深くなっていく。龍王峡駅に着いた。冬の龍王峡駅には降りる客もなく寂しそうだ。もっとも自然の造形美が作り出した迫力の大景観を見ようと秋の紅葉シーズンには人が押し寄せる。またハイキングコースが楽しめる新緑の季節にも人気があるスポットだ。
鬼怒川と男鹿川が合流する渓谷に川治温泉郷がある。川治湯元駅からは通常は徒歩で10分程度だが、積雪が立ちはだかるように横たわっていて歩くのに難儀した。明るく穏やかな天気だが、温泉郷はしんみりとしていて肌を刺すような寒さだ。
ちなみに、川べりに佇む「薬師の湯」は美肌の湯として人気が高いそうだ。
翌日は会津若松方面へ向かう。川治湯元駅から4㎞以上ある沿線最長の葛老山トンネルを抜けると湯西川温泉駅に着く。平家落人の里といわれ、その所在を隠すために、鯉のぼりをあげない、鶏を飼わないなどの風習が今でも残っているとのことだ。駅に直結された道の駅には日帰り温泉施設もある。
列車内にはスキー場に行くと思われる乗客が何組も見受けられたが、野岩の終着駅である会津高原尾瀬口駅で降りて行った。尾瀬へのアクセスの基点となる駅だ。
ここからは会津鉄道の会津線に乗り継ぎつつ、車窓から白銀の景色を眺めながらの旅は続く。
JR東日本磐越西線・喜多方駅駅舎。
喜多方市は会津地方の北端、福島県内では最西端の市で、会津地方の北方にあるため北方(きたかた)と呼ばれたのが名の由来。出羽(山形)や越後(新潟)への交通路として会津有数の地となった。
喜多方は蔵とラーメンの街。一般的な麺より水分を多く含んだ"平打ち熟成多加水麺"が特徴。
昭和初期の屋台の支那そばが元祖といわれ、醤油味ベースと思われているが、実は店舗によって味もスープも麺の太さ・縮れも異なる。
会津の奥座敷といわれる東山温泉
東山温泉の食堂”よしのや”。昼下がりの温泉街の食堂で、豚かつをつまみに熱燗でいっぱいやるのもオツなものだ。
会津といえば馬刺し。そして会津の代表的な郷土料理、こづゆ。干し貝柱で出汁をとっている。
冬の野岩鉄道
【お問い合わせ】
野岩鉄道株式会社
(取材日:2022年1月14,15,16日)
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