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2022/01/26

季節のバナー画像シリーズ【Vol.37】冬の野岩鉄道


“TechEyesOnline”のバナー画像として採用した取材先をご紹介していくシリーズです。
うつろい変わりゆく季節感や日本の四季折々を、TEO取材班がお届けします。第三十七回は、“冬の野岩鉄道”です。

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冬の野岩鉄道(湯西川温泉駅から望む)


凍った湯西川を渡る野岩鉄道の普通列車

凍った湯西川を渡る野岩鉄道の普通列車。
湯西川陸橋は、長さ240m、水面からの高さ20m。列車は第二岬トンネルに入り会津方面に向かう。

 東京から2時間で車窓の景色は銀世界に変わった。

 日光を経てその先の会津まで、鉄道の旅をした。
 東武鉄道と会津鉄道を結ぶのは野岩鉄道で、最初の目的地はのその野岩鉄道の川治湯元駅になる。
 野岩鉄道は、旧国鉄の民営化によって、第三セクター方式で昭和61年に開通した。通称は会津鬼怒川線といい、都心からは新藤原駅に東武線が乗り入れる。「ほっとスパ・ライン」の愛称もあり、沿線には温泉地が多い。
 雪に覆われた鬼怒川温泉駅から列車を乗り継ぎ、次の新藤原駅から野岩の路線に入る。鬼怒川に沿うように山間を走り、駅間ごとにあるトンネルを抜けると更に雪深くなっていく。龍王峡駅に着いた。冬の龍王峡駅には降りる客もなく寂しそうだ。もっとも自然の造形美が作り出した迫力の大景観を見ようと秋の紅葉シーズンには人が押し寄せる。またハイキングコースが楽しめる新緑の季節にも人気があるスポットだ。

川治湯元駅を出た快速AIZUマウントエクスプレス号

川治湯元駅を出た快速AIZUマウントエクスプレス号。
会津鉄道の赤い車両(AT-700・750形)が、野岩鉄道を通り東武・鬼怒川温泉駅まで乗入れている。

 川治湯元駅に着くと雪がちらほらと舞っていた。
 鬼怒川と男鹿川が合流する渓谷に川治温泉郷がある。川治湯元駅からは通常は徒歩で10分程度だが、積雪が立ちはだかるように横たわっていて歩くのに難儀した。明るく穏やかな天気だが、温泉郷はしんみりとしていて肌を刺すような寒さだ。
 ちなみに、川べりに佇む「薬師の湯」は美肌の湯として人気が高いそうだ。

鬼怒川を渡る野岩鉄道の普通列車2編成の61103車両

鬼怒川を渡る野岩鉄道の普通列車、2編成の61103車両。
野岩鉄道の普通列車は会津鉄道・会津田島駅と東武鉄道・下今市駅間を運転している。

鬼怒川の鉄橋下で行なわれる小正月の火祭り

鬼怒川の鉄橋下で行なわれる小正月の火祭り"左義長"。河原の雪を照らす炎は1時間も無いが、今でも風習は続いている。

 翌日は会津若松方面へ向かう。川治湯元駅から4㎞以上ある沿線最長の葛老山トンネルを抜けると湯西川温泉駅に着く。平家落人の里といわれ、その所在を隠すために、鯉のぼりをあげない、鶏を飼わないなどの風習が今でも残っているとのことだ。駅に直結された道の駅には日帰り温泉施設もある。

湯西川(五十里湖)の鉄橋を渡り湯西川温泉駅に向かう特急リバティ会津号。

湯西川(五十里湖)の鉄橋を渡り湯西川温泉駅に向かう特急リバティ会津号。
湯西川温泉駅はホームがトンネル内にある山岳駅。

 列車内にはスキー場に行くと思われる乗客が何組も見受けられたが、野岩の終着駅である会津高原尾瀬口駅で降りて行った。尾瀬へのアクセスの基点となる駅だ。

 ここからは会津鉄道の会津線に乗り継ぎつつ、車窓から白銀の景色を眺めながらの旅は続く。


JR東日本磐越西線・喜多方駅駅舎

JR東日本磐越西線・喜多方駅駅舎。
喜多方市は会津地方の北端、福島県内では最西端の市で、会津地方の北方にあるため北方(きたかた)と呼ばれたのが名の由来。出羽(山形)や越後(新潟)への交通路として会津有数の地となった。

喜多方は蔵とラーメンの街。一般的な麺より水分を多く含んだ"平打ち熟成多加水麺"が特徴。
昭和初期の屋台の支那そばが元祖といわれ、醤油味ベースと思われているが、実は店舗によって味もスープも麺の太さ・縮れも異なる。


JR東日本・日本貨物鉄道・会津若松駅駅舎

東北の駅百選にも選ばれた会津の玄関口、会津若松駅の駅舎正面。
幕末維新の会津戦争で活躍した白虎隊士の像が立つ。北からは磐越西線、南からは只見線が、西若松駅経由で会津鉄道も乗入れている。


赤べこ

赤べこは赤色に塗った牛に、黒の斑点と白の縁取りをした張り子人形。
会津若松市の郷土玩具で、古くは厄除けのお守り・縁起物。今では幸運を運ぶ牛とも呼ばれる。


東山温泉

会津の奥座敷といわれる東山温泉

東山温泉よしのや

よしのやのとんかつ

東山温泉の食堂”よしのや”。昼下がりの温泉街の食堂で、豚かつをつまみに熱燗でいっぱいやるのもオツなものだ。


羽黒山神社の参道入口

東山温泉にある羽黒山神社の参道入口。
1,225段の階段を登ると羽黒山湯上神社の本殿がある。


雪深い参道

参道は雪に覆われており、途中で本殿へ行くのを断念。

桜刺し

こづゆ

会津といえば馬刺し。そして会津の代表的な郷土料理、こづゆ。干し貝柱で出汁をとっている。


雪化粧の鶴ヶ城

雪化粧の鶴ヶ城。
蒲生氏や松平氏が治めたが、会津戦争で損傷し解体された。昭和40年に天守は鉄筋コンクリートで再建され、若松城天守閣郷土博物館になっている。


鶴ヶ城天守からの眺め

鶴ヶ城天守からの眺め


冬の野岩鉄道


【お問い合わせ】
野岩鉄道株式会社

TEO取材班 
(取材日:2022年1月14,15,16日)


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