季節のバナー画像シリーズ【Vol.43】紅葉の名所を訪ねて Part4
“TechEyesOnline”のバナー画像として採用した取材先をご紹介していくシリーズです。
うつろい変わりゆく季節感や日本の四季折々を、TEO取材班がお届けします。第四十三回は、“紅葉の名所を訪ねて Part4”です。
新宿御苑(東京都新宿区)
桜の名所として人気の高い新宿御苑だが、紅葉もまた良い。外国人観光客も多く訪れるが、欧米人などは公園でのくつろぎ方を知っていて実に優雅に過ごしている。四季の移ろいが乱れている。
今年は夏の猛暑が収まらず、東京は30度を超える日が続き、82年ぶりに9月の平均気温を更新した。10月に入っても、31.9度を記録する(10月2日の東京都心)などの影響で、例年に比べると紅葉の始まりがかなり遅かった。都心の街路樹がようやく色付きはじめたのが11月も中旬を過ぎてからだった。
短い秋を求め、「都会のオアシス」の代名詞ともなっている新宿御苑へ訪れた。全周3.5キロメートル、8.3ヘクタールの園内は、風景式庭園、整形式庭園、日本庭園の3つの異なる庭園が融合する。
新宿門から入ると赤く染まった楓が出迎える。散策路には落ち葉が舞い、すでに晩秋の雰囲気。
東へ進むと芝生が広がる風景式庭園が見えてくる。
ハナノキの立ち姿を仰ぎ見ながら歩くとイチョウの巨樹が現れる。陽光が差し込んで黄金色に輝く無数の葉っぱが圧巻。時折風に吹かれてパラパラと降ってくる。
整形式庭園は、左右対称など幾何学的なデザインが特徴だ。樹齢100年を超える約160本のモミジバスズカケノキ(プラタナス)。整然と8列に並ぶ。
11月に入ってようやく緑から黄色のグラデ―ションとなり、12月の初旬には落ち葉となった。並木道のベンチに腰を掛けると、何とも言えぬ静謐さに包まれ、優雅でエレガントな時を過ごすことができる。
南には日本庭園がある。池に沿った曲線を進むと、先ほどまでのヨーロッパ調とは打って変わり、手入れの行き届いた松やカンザクラに石灯籠の風景が目に入る。
柔らかなタムケヤマの樹形がこの庭園のシンボル。艶やかで繊細な葉の中に、よく見ると双葉のような形状の種子が見えた。
「このたびは 幣もとりあへず 手向(たむけ)山 紅葉(もみぢ)の錦 神のまにまに」※
※学問の神様・菅原道真公が紅葉の美しさを錦に例え、神に捧げた歌。百人一首の24番。
新宿御苑
【お問い合わせ】
新宿御苑ホームページ
(取材日:2024年11月6日~12月4日)
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