お知らせ

2024/12/23

季節のバナー画像シリーズ【Vol.43】紅葉の名所を訪ねて Part4


“TechEyesOnline”のバナー画像として採用した取材先をご紹介していくシリーズです。
うつろい変わりゆく季節感や日本の四季折々を、TEO取材班がお届けします。第四十三回は、“紅葉の名所を訪ねて Part4”です。

バナー

新宿御苑(東京都新宿区)

桜の名所として人気の高い新宿御苑だが、紅葉もまた良い。外国人観光客も多く訪れるが、欧米人などは公園でのくつろぎ方を知っていて実に優雅に過ごしている。


ユリノキ

風景式庭園のほぼ中央にあるユリノキ。大きな葉の色づきは紅葉の始まりを知らせる

 四季の移ろいが乱れている。

 今年は夏の猛暑が収まらず、東京は30度を超える日が続き、82年ぶりに9月の平均気温を更新した。10月に入っても、31.9度を記録する(10月2日の東京都心)などの影響で、例年に比べると紅葉の始まりがかなり遅かった。都心の街路樹がようやく色付きはじめたのが11月も中旬を過ぎてからだった。


ユリノキ

ユリノキはモクレン科ユリノキ属の落葉高木。成長が早く30~50mにもなる

 短い秋を求め、「都会のオアシス」の代名詞ともなっている新宿御苑へ訪れた。全周3.5キロメートル、8.3ヘクタールの園内は、風景式庭園、整形式庭園、日本庭園の3つの異なる庭園が融合する。


大イチョウ

庭園の北側に並ぶ大イチョウ。青空に黄色が輝く12月の人気撮影スポット

 新宿門から入ると赤く染まった楓が出迎える。散策路には落ち葉が舞い、すでに晩秋の雰囲気。 東へ進むと芝生が広がる風景式庭園が見えてくる。
 ハナノキの立ち姿を仰ぎ見ながら歩くとイチョウの巨樹が現れる。陽光が差し込んで黄金色に輝く無数の葉っぱが圧巻。時折風に吹かれてパラパラと降ってくる。


大イチョウ

風に吹かれて降り注ぐイチョウの葉のシャワー。徐々に黄金色を敷きつめていく

 整形式庭園は、左右対称など幾何学的なデザインが特徴だ。樹齢100年を超える約160本のモミジバスズカケノキ(プラタナス)。整然と8列に並ぶ。
 11月に入ってようやく緑から黄色のグラデ―ションとなり、12月の初旬には落ち葉となった。並木道のベンチに腰を掛けると、何とも言えぬ静謐さに包まれ、優雅でエレガントな時を過ごすことができる。


プラタナス並木(モミジバスズカケノキ)

 整然と植えられたプラタナス並木(モミジバスズカケノキ)。プラタナスというのはギリシャ語で”広い”を意味するように大きな葉が印象的

 南には日本庭園がある。池に沿った曲線を進むと、先ほどまでのヨーロッパ調とは打って変わり、手入れの行き届いた松やカンザクラに石灯籠の風景が目に入る。


池泉回遊式の日本庭園

池の周囲を回遊しながら鑑賞できる池泉回遊式の庭園の様子(11月初旬)。11月には皇室ゆかりの菊花壇展が開催されるが、12月には景色が一変する

池の水面に映る「逆さ紅葉」も観賞できる

 柔らかなタムケヤマの樹形がこの庭園のシンボル。艶やかで繊細な葉の中に、よく見ると双葉のような形状の種子が見えた。


タムケヤマの種子

タムケヤマ(手向山)は日本原産のヤマモミジ系のカエデの園芸品種。やわらかな曲線の枝ぶりとレース飾りのような葉が特長。種子は翼を広げたような形状。風に揺れる葉の中に、次の季節へ繋がる命の息吹を感じさせる

 「このたびは 幣もとりあへず 手向(たむけ)山 紅葉(もみぢ)の錦 神のまにまに」※


ラクウショウ

鬱蒼とした母と子の森では、紅茶色のラクウショウが木道を照らしている。根元にはタケノコのような「気根」が生えている

映画『君の名は。』に登場する新宿御苑に隣接するイタリアンレストラン「カフェ ラ・ボエム」。多くのファンが訪れる人気スポット


たっぷりとチーズを掛けたボロネーゼ

たっぷりとチーズを掛けたボロネーゼは濃厚で贅沢な味わい


※学問の神様・菅原道真公が紅葉の美しさを錦に例え、神に捧げた歌。百人一首の24番。



新宿御苑


【お問い合わせ】
新宿御苑ホームページ

TEO取材班 
(取材日:2024年11月6日~12月4日)


TechEyesOnline について

会員登録はこちら


「バナー画像シリーズ」インデックス

タグ